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機関誌「地球のこども」

聴いて 美味しくて 楽しいだけじゃない!インタプリターから見たフェスの魅力と可能性

文:小川 結希(株式会社自然教育研究センター)

環境教育を扱ったフェスをしたい!

ステージではアーティストによる賑やかなライブ、その周りでは美味しそうな匂いにつられた人で賑わう食の屋台、洋服や雑貨の出店、クラフトなどの体験ブース。人々はみな楽しそう… 私がそんな「野外音楽フェス(以下フェス)」に最初にふれたのは大学生の頃。そこに、雄大な自然があることや環境問題への取り組みが行われていることになんて気づくこともなく、呑んで踊って笑っているだけでした。

そんな私が、今ではインタープリター(環境教育におけるコミュニケーションの専門家)としてフェスに関わっています。その経緯は、最初にインタープリター仲間と「環境教育を扱ったフェスをしたい!」という夢を描いたことに始まります。

しかし、フェスの専門家ではない自分たちが環境教育を前面に出したフェスを上手く実行できるのか… と悶々としていた頃、仲間の内の1人である同僚の村上君のつてで、南兵衛さん(『フェスが広げてきた社会への環境ムーブメント』筆者)という自然を愛するフェス主催者と出会い、元々行われているフェスに実践の場をいただくことができました。そして、回を重ねる度に、思っていた以上に続けていく意味を感じるようになったのです。

  

非日常が引き出す自然への興味

始めは、一つの長テーブルからでした。南兵衛さんが主催するフェス@代々木公園で、一角を貸してもらい、代々木公園の自然を紹介する「ビジターセンター」という位置づけで出展しました。代々木公園に大自然はないのですが、多様な木々やそこに集まる生きものを見れば、自然体験をするには充分です。でも、フェスに参加している人々は大学生の頃の私と同じで、ライブやお買い物に興味があります。

そこで、代々木公園で採集した生きものを展示(負担のないように配慮している)して、お客さんを惹きつけて自然に目を向けることを促したり、実際に自然体験のできるガイドウォークを実施したりしました。

 

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フェスではあまり見かけないタイプのブースで、生きものの図鑑や虫かご、観察グッズをずら~っと並べ、虫などを平気で持つ私たちをお客さんも珍しそうに見ます。しかし、子ども達を中心に徐々に人が来るようになり、虫に歓声を上げたり、悲鳴を上げたり、一日中ブースから離れない子どもがいたり、子どもに自然体験させたい親がいたりと、たくさんの反応をもらうことができました。

その殆どの大人に共通しているのが、子ども時代に何かしらの自然体験をしていて、その感情や感覚が体に残っているということ。それを私たちとの関わりをきっかけにして思い出し、新たな体験に踏み出します。そのきっかけは、普段の忙しい生活では見逃してしまいがち。しかし、フェスに来ると、人は普段のしがらみから離れてリラックスし、楽しく前向きになるので、私達のコミュニケーションに対して心を開き、自然体験に積極的になりやすくなります。つまり、フェスはきっかけを作りやすい状況なのです。このデビュー戦で、私は、環境教育の可能性をどっぷり感じて帰りました。

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インタプリーターとしての挑戦の場

それから、いくつかの場所でブースを出しました。場所によって自然の度合いはまちまちですが、なにも参加者に深い自然体験をしてもらいたいのではなく、そこの場所の環境を理解して、その環境も含めて、フェスを楽しめるようになってほしいのです。そして、フェスを楽しむ代わりにその環境に与える負荷を減らしたいと思えるようになってほしいのです。その視点は、ゆくゆくは自分の暮らす環境に移ることになるかもしれません。フェスは多様なコンテンツがあって、多様な人が集まる場。私たちも多様な視点で捉えていく必要がありますが、それはインタープリターとして腕がなる挑戦の場になっています。

私はこう願っています。自分たちのこの活動を通じて、フェスのお客さんもブース出展者も、そこの環境も、いつかは地球も、そして自分も、豊かになることに貢献していけますように… と。

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小川 結希(おがわ ゆうき)

「木登り・生きものだ~い好き!」な子ども時代。そのまま大きくなり環境を学べる大学に進む。在学中に受けた研修会を機に、インタープリターになることを決め、卒業後、晴れて自然教育研究センターのインタープリターになる。自然公園や都市さまざまな場所で活動している。

2016年9、10月号

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