文:京極 徹(事業部長)
【事業名】「森里川海大好き!」を広めるシンポジウム
JEEFは、環境省主催の「『つなげよう、支えよう森里川海』プロジェクト」の一環として、子どもたちが森里川海の大切さを理解するための、読本お披露目シンポジウムの運営を担当し、活用方法などについてパネルディスカッションを行いました。
森里川海をつなぎ、支えていくために
日本の都市に暮らす人々は、農山漁村が生み出す様々な生態系サービスの恩恵を享受することで、豊かな生活を成り立たせてきました。しかし、過疎化、高齢化、気候変動、過剰開発などにより、森里川海の資源の枯渇、水供給の不安定化、自然災害の激甚化など、様々な問題(※)が発生しています。
※:森里川海の資源の枯渇、水供給の不安定化、自然災害の激甚化、自然とのふれあいの機会の減少、森林・里地里山の荒廃、鳥獣被害の深刻化など。
そこで環境省では平成26年12月から「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトとして、地方公共団体、有識者、先進的な取り組みを行っている方々との対話や議論をしながら、森里川海の恵みを将来にわたって享受し、安全で豊かな国づくりを行うための基本的な考え方と対策の方向の取りまとめに着手しました。
子どもたちのための読本完成!
これらの取組の一つとして開始されたのが、読本『森里川海大好き!』の企画制作と普及事業です。JEEFは平成28年度からの2年間、この事業の事務局を担ってきました。
この読本の趣旨は、小学五・六年生を主な対象に、子どもたちが森里川海の中で遊んで自然を身近に感じ、その恵みについて知る機会を増やし、森里川海を将来世代につないでいくことの大切さを理解することです。
環境省が有識者による編集委員会を設置し、教育現場の先生方からもご意見を頂きながら制作を進め、3月21日に読本が完成。そのお披露目シンポジウムを東京・四ツ谷で開催しました。
シンポジウムでは、編集委員会の養老孟司委員長と読本のメインストーリーを執筆いただいた阿部夏丸さん(児童文学作家)のトーク。そして、JEEF川嶋理事長がコーディーネーターとなり、読本の学校での活用方法や広め方、自然体験の大切さなどについて、「大喜利」形式でのパネルディスカッションが行われました。
なお次年度からは、この読本と活用の方法について、全国の小学校等への普及が始まります。
編集委員会のメンバーやこれまでの編集委員会の記録、完成した読本のPDFデータは「つなげよう、支えよう森里川海」のサイトで公開されていますので、ぜひご覧ください。
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