機関誌「地球のこども」

考えるっておもしろいかも!? パート4:第2回 教育者としての軸

Q かもさんは、今の学校教育をどう思いますか?

教育の多様性

先日、右記の質問をいただきました。「悪くないと思いますよ」と僕は答えました。今の教育がベストだとは思いませんが、このやり方で楽しく学んでいる子たちがいるのも事実だからです。

僕は、たとえどんなに良い教育アプローチであったとしても、一つのやり方にみんなが寄っていくことはよくないと考えています。それは多様性をなくしていくことになると思うからです。生物多様性しかり、人間も異なる価値観が混ざり合うことで社会は均衡が保たれています。

だから僕は、子どもに関わるすべての人に、自身のアプローチを大切にして欲しいと思っています。教育にも、子育てにも、人それぞれにポリシーがあり、何が良いとか悪いとかは後からふりかえっての結果論でしかありません。それに、世の中に変革を起こすのは、往々にしてその時代においては、斬新な教育や子育ての元で育った人だったりするものです。

何を基準に教育を選ぶか

教育や子育てに関わる人にとって、自分がどういう方向に舵を切っていくのかは、いつだって悩ましいものです。僕もGEMS以外に様々なアプローチを学び、ワークショップに取り入れていますが、実施する際に大切にしている二つの軸があります。

軸1:そのアプローチが子どもに合っているかどうかを確認することです。

当たり前のことですが、成功体験が増えるほど、そのやり方に万能感を持ちやすいもの。しかし、子どもは一人一人違いますから、必ず上手くいくパターンは存在しません。それまで何度上手くいったやり方であれ、その都度子どもの様子をよく見て、子どもの特性に合わせた調整をする柔軟性をもっていたいと思っています。

 

軸2:自分とは異なる価値観も尊重するよう、子どもたちに伝えることです。

そのまま言葉にしなくても、話し合いやブレーンストーミングの場面において子どもたちの意見を丁寧に扱うことで、良い・悪いの二択ではないんだよというメッセージを伝えるようにしています。

どのような教育を選ぶにせよ、実施者の軸によってその様相は大きく変わります。みなさんにとっての軸は何ですか?

2018年5、6月号

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