機関誌「地球のこども」 Child of the earth

インドネシアを全身で感じて 2015.06.30

【事業名】インドネシア事務所インターン受け入れ
【実施期間】2015年5月~12月 
【実施地】インドネシア ボゴール

マラサリ村を訪れて

皆さんこんにちは! インターンシップが始まり、早くも1ヶ月が経ちました。この一か月は、エコツーリズム推進プロジェクトの舞台となるグヌン・ハリムン・サラック国立公園に位置するマラサリ村での活動が主なものでした。

村の集落では、自然と寄り添い生きる人々の静かで温かい暮らしに心を癒し、その隣に広がる原生林へのトレッキングでは本物のジャングルの力強さに圧倒されてしまいました。対照的に、道中で目にしたアブラヤシのプランテーションや茶畑など人の手が入った広大な土地には、人と自然の関わり方の果てしない問題を突き付けられたようでした。見るもの全てに発見が隠されているこの国が私の舞台となっています。

力強いマンサクの木は数少ない固有種のひとつ

力強いマンサクの木は数少ない固有種のひとつ

ウコンを持って恥ずかしそうにほほ笑むお母さん

ウコンを持って恥ずかしそうにほほ笑むお母さん

たくさん葉っぱを摘んで誇らしげな子供たち

たくさん葉っぱを摘んで誇らしげな子供たち

きっかけはフィリピンの小さな島

今回、私がはるばるインドネシアに来たきっかけとなったのは、フィリピンのカオハガン島という島との出会いです。高校3年生の春に初めて訪れたこの場所で、私は自然と寄り添う島民の暮らしに惚れ込み、私の人生、この景色を守っていくために使いたいと感じました。

フィリピンのカオハガン島

フィリピンのカオハガン島

それは、その島にも海洋汚染や近代化という問題が押し寄せているからなのですが、何をどう守るのか、そもそも守るとはどういうことなのか、それを考えるには知識も経験も不足していました。異国で経験を積み、一方的な介入でもなく、無関心に見過ごすわけでもない関わり方を考えたいと思い、私は今ここにいます。そのために私が今回のインターンにおいて注目したいポイントは次の3点です。

今回のインターンにおいて注目したいポイント

  1. 日本やフィリピンと比較したインドネシア
  2. 住民のプロジェクトへの関わり方
  3. 日本人としてのプロジェクトへの関わり方

1.日本やフィリピンと比較したインドネシア

フィリピンに強い思いを持ちながらもインドネシアを選んだのは、比較材料をより多く作りたいと考えたからです。

インドネシアは島国という地形や多民族国家という点など、形はフィリピンと似ているようで宗教や文化など中身はまるで違うように感じます。例えばフィリピンでもインドネシアでも路上でお金を集める人がいますが、インドネシアの方がエンターテイナーが多いように感じます。私はそこには彼らの考え方に、何か決定的な違いがあるのではないかと考えています。

比較して見える共通点・相違点からそれぞれの国への理解を深めたいと考え、インドネシアを選びました。

2.住民のプロジェクトへの関わり方

私はマラサリ村のように、住民側からの提案で始まったプロジェクトに注目しています。実際にマラサリ村に訪れても確かに、積極的に動くプロジェクトの中心となる人物と住民の協力的なサポートが印象的でした。特に私が参加させていただいたプロモーションビデオ作成時には、一丸となったチームと急なお願いに集まってくれる住民の方々がいました。これからの半年間、ホームステイなどの経験を通して住民がプロジェクトにどんな期待を寄せているのか、また、何が人々を動かしているのかなど、住民の視点にも立てるような経験をしたいと考えています。

撮影チームと協力してくれた村人と。仲がいいのが伝わりますか?

撮影チームと協力してくれた村人と。仲がいいのが伝わりますか?

3.日本人としての関わり方

最後に日本人としての関わり方です。よそ者としての日本人がどう関わっていくのかを実際に見聞きし、今後の自分の生き方を考えることが今回のインターンシップの大きな目標です。現在のマラサリ村は観光地としては設備や制度がまだ十分ではないのですが、美しい自然とそこに生きる人々の暮らしには、人を惹きつける魅力がたくさん詰まっています。

ドリアンの香りに惹きつけられる私

ドリアンの香りに惹きつけられる私

そんな素敵な場所でJEEFではどのような関わり方をして、どのように貢献していくのかを見たいと考えています。
文責:野田麻美(インターン)

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