機関誌「地球のこども」 Child of the earth

環境教育の質を高める(2020年までにチェックしたい9つのサスティナブル・トピック) 2019.06.14

 

元号が平成から令和に改まり2020年まであと少し。改めてそれぞれの分野でどのような環境の取り組みが行われているのか、注目のサスティナブルなトピックを集めました。
今回は各方面でご活躍の9名の方々から、「今注目しているサスティナブルな取り組み」を紹介していただきました。読者の皆さんの環境活動のアイディアとしてぜひお役立てください。

TOPIC7 教育手法:俯瞰の視点で見るサスティナブルライフ

トレイシー・シールズさん(教育者(元LHS GEMSディレクター))

私は、スカイダイビングからサスティナビリティへのヒントを得ました。それは「物事を俯瞰して見る」ことと、「自分の力で落下(悪化)する速度を緩やかにすることができる」ということです。

私は、常にこの視点で自分の家にある物を見るようにしています。

例えば、各種梱包材、郵便物、食料品、洗濯物の量、皿の山。
これらをいかに地球にやさしい形で処理したり、他のものに代用したりできるか。
本当に欲しい?
購入する必要がある?それとも何かを再利用することで事足りる?

このように私は自身を俯瞰して問いかけつつ、「私は自分でできる(ICMM※)」 という考え方を実践しています。 地球の持続可能性という文脈では、自分を管理するということは「自分の物と行動を管理すること」を意味します。

※ICMM(I Can Manage Myself)イニシアチブで生徒が自身の行動を改善するシステム

信頼できる情報源を見極め、私たちの創造性を働かせれば、社会の悪化を遅らせ、資源浪費と物質中心主義の流れに歯止めをかけることができるようになります。

オンラインカタログの注文で梱包材だった70mのロールから装飾されたホリデー紙を手作りしました。


TOPIC8 ファンドレイジング:みんなの夢を叶える ファンドレイジング

徳永 洋子さん(ファンドレイジング・ラボ

「いいね!」って言える社会は、誰もが夢を抱いてその実現に向けて自分の物語をつむぎながら生きていける社会だと思います。でも、「体が不自由だから」「家が貧しいから」「年をとったから」といったことで、夢も希望もないと思っている人もたくさんいます。

そういう人たちのために、NPOは社会の課題の解決を目的に活動しています。そして社会が変わることで、皆が夢や希望をいだける社会になります。

最近、NPOでも根付き始めているファンドレイジング(寄付、会費、助成金、事業収入などの資金を調達すること)は、みんなの夢を叶えるための活動を支える、資金の調達だと言えます。

ところで、トランプカードを思い出してみてください。ハートは愛、スペードは勇気、ダイヤは財産、クラブは知恵を表すとされています。なぜかハートとダイヤは安定した土台がなく、危うい一点で立っていて不安定です。

社会をより良くするためにNPOは、勇気と知恵そして安定的な財源と弛まぬ博愛精神で、日々の挑戦を続けていっていただきたいと思います。

JEEF懇親会にて

『非営利団体の資金調達ハンドブック―ファンドレイジングに成功するポイントのすべて』
著:徳永洋子
出版:時事通信出版局

TOPIC9 ライフスタイル:持続可能な働き方・生き方 〜 パラレルキャリアという選択肢 〜

私が紹介したいのは「パラレルキャリア」という生き方・働き方です。 私自身サラリーマンとして約20年間働いてきました。ある時とても好きな役割に出会えたのですが、サラリーマンの宿命で異動となり、まったく違う仕事になりました。しばらくその中で工夫していたのですが、限界も感じていました。

そんな時に「パラレルキャリア」という考え方を知ったのです。 パラレルキャリアとは簡単に言うと複数の立場役割を併せ持つ働き方・生き方のことです。複数の本業という意味で「複業」とも呼ばれます。

私の場合は「人材育成・研修講師」という役割に最もフィット感を感じていたので、転職や独立ではなく勤めの仕事を続けながら、6年前に個人事業主として開業しました。

周囲の協力や家族の支えもあり事業は徐々に形になっていきました。その中で最も効果を感じていることは「キャリアの自立」です。人生100年時代、個人の期待役割は、属している組織が用意してくれるものから、自分で創るものへと変わっていきます。

生活の基盤を一つの仕事で支えながらチャレンジすることで、自立した期待役割を生み出すことが可能です。

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