大阪の街をかけ抜ける
- 2018/04/03
- カテゴリー:事業レポート

文:柴原みどり(ジャパンGEMSセンターチーフインストラクター)
【事業名】第7回 大阪マラソン
11月24〜26日、昨年に引き続き、「オフィシャル寄付先団体」として、大阪マラソンEXPOと第7回大阪マラソンに参加。チャリティランナー25名と職員3名が大阪の街を走りました!
合言葉は、「みんなでかける虹。」
大阪マラソンは、多くの方にチャリティへの参加機会を提供している日本最大クラスのマラソン大会。JEEFは、チャリティカラー:水色、チャリティテーマ:「自然環境を支える」分野で再度オフィシャル寄付先団体に選ばれました。
ランナー応募人数は123,316人、当選倍率は4.11倍。それでも、確実に走れる方法があり、それはJEEFを応援してくださる(7万円の寄付を募る)「チャリティランナー」としてエントリーすること。
一般ランナーとして落選した後のタイミングでも、エントリーすることができるのです。もちろん、最初からチャリティランナーとしてエントリーしてくださる方々もいます。ランナーたちは数カ月かけて、自分が選んだチャリティの意義を語り、まわりの人たちから寄付を集める仕組みです。
他にも大阪マラソン独自の「出場者全員が1口500円(最低2口)を募金する」仕組みがあり、寄付先は応募時に「環境」や「医療」などをテーマにした7分野から選択します。
EXPOは国際色豊か

※Gulahe(グラへ) インドネシア・マラサリ村に自生する、サトウヤシと地域特産の生姜から、開発した生姜湯。
チャリティランナーは、マラソン前日までに、EXPO内の各々応援しているカラーのブースを訪れ、専用Tシャツ等を受け取ります。また一般ランナーで水色チーム「環境」に共感して寄付をしてくださった国内はもとより、中国、台湾、タイ、マレーシアなどからの方たちも、続々と私たちのブースへ。皆、自分の名前が貼り出されているのを確認し、「完走するよ!」などと書いたサインを持ったり、JEEFが用意した水色アフロをかぶったりと、大はしゃぎで写真を撮ります。
そして、JEEFの国際環境活動の拠点の一つであるインドネシアの森の恵み「Gulahe(※)」を使ったクッキーを試食しながら、私たちの活動にしばし耳を傾けてくれます。
「僕のワイフは君たちのチャリティのために走るんだ!」と、とても誇らしげに話してくれたシンガポールの方が印象的でした。
大阪マラソンを支える市民ボランティア
30キロ地点で自転車を担いでいる人たちに遭遇しました。交差点が閉鎖されているため、地下道を自転車やベビーカーの人たちのために「力持ちボランティア」が担いで運んでいるのです。また、ランナーの給食「まいどエイド」は、各商店街が「大阪らしさ」をテーマに、冷めても美味しいたこ焼きなど工夫を凝らしたものを提供。この大会は、こうした1万人もの市民ボランティアに支えられています。
ランナーの足が思うように進まなくなる頃、沿道の人たちは冷却スプレーや携帯食などで応援します。その気前の良さは大阪ならでは。あるランナーの話によると、お肉屋さんに「にいちゃん、ハム持ってきや!」と声をかけられ、えらく戸惑ったとのことでした。
ランナーほどではないけれど、相当動き回った応援部隊は、水色チーム最後のランナーがゴールしたのを見届け、ランナーたちとチャリティラウンジで合流。彼らがインタビューやマッサージを受けるのを待つ間、「しんどかった」が、「楽しかった!」に変わっていきました。

20キロ地点。私たちも水色の軍手でハイタッチ。手がしびれるほど強い力の人、ソフトタッチの人、すでに軍手が汗だくの人など。ここでは、ほとんどのランナーたちはまだ声援に応える余裕で走っています。


JEEFに集まった寄付金額は¥2,036,000!(11月末時点)
近年、市民参加型マラソンは、地域活性化のため様々な市町村で開催され、この大会をみても、それが巨大市場であることがわかります。しかし、高い参加料を払い、長い長い、42.195キロを約3万人もの人たちが、辛い思いをしながら走る。正直、大会に応援参加するまで、何がランナーたちを魅了するのかわかりませんでした。
惜しげない声援とおもてなし、チャリティとボランティアの心が、走る人も応援する人も一体にする。そして、その思いが応援する団体の活動の未来を支えています。スポーツは、多くの人々を巻き込む魅力があるのだと実感した大会でした。
たくさんの応援、本当にありがとうございました!

応援団もランナーと一体になれたね!
2018年3、4月号
- 考えるっておもしろいかも!? パート4:第1回 社会に貢献する学び
- 自由な発言で深める、環境教育への思い
- 高校生に負けてられない!
- ほしい未来をつくるために。届けたい想いをつづる、もうひとつの仕事。
- アジア湿地シンポジウム(AWS)に参加して
- パート3:開発途上地域(アジア)の地域デザイン第5回 〜家庭菜園の多面的機能を 活かした地域づくり〜
- 「道の駅」から始まる、小さな国の大きな一歩(ブータン王国)
- 狩猟 〜動物の命をいただく行為から学んだ 自然を大切に想う心〜
- 大阪の街をかけ抜ける
- 2枚目の名刺が生み出す3つの変化
カテゴリー
- worldexpress (13)
- 事業レポート (79)
- GEMS (2)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ハにおける地域に根ざした持続可能な観光開発と人材育成プロジェクト (6)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ポブジカにおける地域に根ざした持続可能な観光の開発 (6)
- NEC森の人づくり講座 (2)
- SAVE JAPANプロジェクト (1)
- インドネシア (6)
- カンボジアにおけるオオヅル及び生息地の保全に関する環境教育・普及啓発事業 (1)
- きのこたけのこ里山学校 (2)
- ハイフォン市都市環境整備にかかる環境教育・普及啓発プロジェクト (3)
- バングラデシュ国における事業 (18)
- 企業の人材育成事業 (1)
- 市民の市民のための環境公開講座 (4)
- 日本の環境を守る 若武者育成塾 (7)
- 東京シニア自然大学 専科 (2)
- 東京シニア自然大学 本科 (1)
- 清里ミーティング (3)
- 王子の森自然学校 (2)
- 人が育つ場づくり (5)
- 国際事業コラム (24)
- 地域の課題解決あの人に聞きました! (8)
- 寒さを楽しむ。温もりを感じる。 (1)
- 小さなサスティナブルのカケラ (4)
- 投稿 (4)
- 次世代のホープ達 (3)
- 清里ミーティング30thコラム (1)
- 特集 (131)
- 「伝える」ちから (3)
- 「未来を豊かに」を仕事にする (5)
- 「食」をとおしていのちをつたえる (3)
- 2020年までにチェックしたい9つのサスティナブル・トピック (3)
- esdユネスコ世界会議を終えて (4)
- JEEF25周年 私を形づくっている自然の原体験 (3)
- SDGs×教育 (3)
- アクティブラーニングってなに? (3)
- あなたの買い物が社会を変える (3)
- いま泊まりたい“学べる宿” (3)
- クリスマスの景色が変わる?生き物の変化と気候変動を知る。 (3)
- さあ! 2枚目の名刺をもとう (3)
- サイエンスと環境教育 (1)
- シニアからの環境教育 (2)
- どうする? サスティナブルな洗濯 (3)
- メディアを使った間接コミュニケーション (3)
- もうすぐ春がやってくる! 写真で伝えるセンス・オブ・ワンダー (1)
- 人と環境をつなぐ「花」のおはなし (3)
- 人気アウトドアメーカーは どんな環境の取り組みをしているの? (2)
- 今、子どもに向けたワークショップが熱い! (2)
- 今年こそ、エコツアーに行こう! (6)
- 今年こそ資格をとろう!自然体験型環境教育の資格・認定 (1)
- 地域を動かす移住者たち (3)
- 変わる!プラスチックの使い方 (3)
- 外であそぼう! (4)
- 夫婦で森に生きる (3)
- 子どもたちの自立を育むコミュニケーション (3)
- 学校で有効な環境教育的教育手法 (3)
- 市区町村の都市型環境教育のとりくみ「水」「森」「施設」 (3)
- 日中韓の環境教育の今 (3)
- 日本ならではのSDGsって? (4)
- 海の環境問題と環境教育 (3)
- 清里ミーティング30th (5)
- 環境教育✖️フェス (4)
- 環境教育って効果があるの? (2)
- 環境教育施設としての動物園・水族館 (3)
- 自然を感じる服 (3)
- 自然学校でラーケーション&ワーケーションしよう! (1)
- 自然学校の今 (7)
- 遊ぶ、学ぶ、サステナブる。 (1)
- 里山イニシアチブ 野生動物と向き合う (1)
- 食とエネルギー (3)
- 食べ物を育てる×教育 (2)
- 食品ロスから環境を考える (3)
- 理事コラム (11)
- 環境教育のものさし (7)
- 考えるっておもしろいかも!? (31)
- 超大 狩猟免許をとる! (3)
- 鈴木みきの山便り (5)