考えるっておもしろいかも!? パート3:第4回なんで手を挙げるの?
- 2017/10/01
- カテゴリー:考えるっておもしろいかも!?

文:鴨川 光(ジャパンGEMSセンター研究員)
そもそもの目的を考える
先日ある教育関係の方から「子どもたちに意見を求めても誰も手を挙げてくれないのですが、どうしたらいいですか?」と質問されました。僕は思わず「どうして挙手しなければならないんですか?」と聞き返しました。子どもたちに問いを投げかけるとき、ついつい「一人ずつ順番に」という暗黙のルールを設定してしまいがちです。でも、これは何のためでしょうか?
問いを投げる目的は大きく3つあると考えています。1つ目は、子どもたちが今どのようなことを考えているかを確認するため。2つ目は、お互いの考えを聞いて、自分の考えを深めるため。3つ目は、大人が一方的に話すのではなく、子ども自身が学びをつくる時間をとるため。これらに適う方法は挙手ではないと感じています。
理想像をイメージして手段を選ぶ
例えば、30人の子どもたちとプログラムをやっているとします。意見を言う時間が5分間あるとして、一人ずつ手を挙げて発言していったら、30人中何人の意見が聞けるでしょうか? そして、一人が発言しているとき他の子は主体的に学びに参加できているでしょうか?
こういうとき僕は、「全員が発信者になる」ことを大切にしています。一番よく使うのは、こちらの投げたお題について近くの2、3人でペチャクチャしてもらう方法。子どもたちの間を歩きながら話に耳を傾けることでたくさんの考えが聞けます。話すことが苦手そうな子が多い場合や、じっくり言葉を紡いでほしいときは、A5サイズの白紙を全員に渡して書いてもらうようにします。それを張り出すなどして全体で共有すれば、人前で話す緊張を味わわずに済みます。
小グループや個人作業の時間をとることで、ただ聞くだけの時間が減り、より多くの考えに触れることができます。それだけでなく、周りがみんな活動している状況なので、そっと気になる子のサポートにも入りやすくなります。
ついやってしまいがちなベタなアプローチも、何を目的にしているのか、そしてどういう状態を目指すのかを改めて考えると、もっと適切な方法が見えてくるかもしれませんよ。
2017年9、10月号
- JEEFはバードライフ・インターナショナル東京、コンサベーション・インターナショナル・ジャパンとの共同事業として、「SATO YAMA UMIプロジェクト」を立ち上げました。
- 海辺の環境教育フォーラムと、その参加者による協働プロジェクト
- 正会員と職員で JEEFの将来を考える
- ごみ箱に捨てる習慣のない国で(ソロモン諸島)
- ブルーフラッグ認証の取得活動を通じた地域づくり
- パート3:開発途上地域(アジア)の地域デザイン第2回 〜自然の恵みの発掘 商品・ブランド化による 地域づくり!〜
- 目指せ! 日本一楽しいゴミ拾い!!〜 神奈川県江の島での12年間のゴミ拾い活動を通じて 〜
- ウエイスト・ピッカーの能力開発を通じた労働・生活の改善
- 考えるっておもしろいかも!? パート3:第4回なんで手を挙げるの?
カテゴリー
- worldexpress (13)
- 事業レポート (79)
- GEMS (2)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ハにおける地域に根ざした持続可能な観光開発と人材育成プロジェクト (6)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ポブジカにおける地域に根ざした持続可能な観光の開発 (6)
- NEC森の人づくり講座 (2)
- SAVE JAPANプロジェクト (1)
- インドネシア (6)
- カンボジアにおけるオオヅル及び生息地の保全に関する環境教育・普及啓発事業 (1)
- きのこたけのこ里山学校 (2)
- ハイフォン市都市環境整備にかかる環境教育・普及啓発プロジェクト (3)
- バングラデシュ国における事業 (18)
- 企業の人材育成事業 (1)
- 市民の市民のための環境公開講座 (4)
- 日本の環境を守る 若武者育成塾 (7)
- 東京シニア自然大学 専科 (2)
- 東京シニア自然大学 本科 (1)
- 清里ミーティング (3)
- 王子の森自然学校 (2)
- 人が育つ場づくり (5)
- 国際事業コラム (24)
- 地域の課題解決あの人に聞きました! (8)
- 寒さを楽しむ。温もりを感じる。 (1)
- 小さなサスティナブルのカケラ (4)
- 投稿 (4)
- 次世代のホープ達 (3)
- 清里ミーティング30thコラム (1)
- 特集 (131)
- 「伝える」ちから (3)
- 「未来を豊かに」を仕事にする (5)
- 「食」をとおしていのちをつたえる (3)
- 2020年までにチェックしたい9つのサスティナブル・トピック (3)
- esdユネスコ世界会議を終えて (4)
- JEEF25周年 私を形づくっている自然の原体験 (3)
- SDGs×教育 (3)
- アクティブラーニングってなに? (3)
- あなたの買い物が社会を変える (3)
- いま泊まりたい“学べる宿” (3)
- クリスマスの景色が変わる?生き物の変化と気候変動を知る。 (3)
- さあ! 2枚目の名刺をもとう (3)
- サイエンスと環境教育 (1)
- シニアからの環境教育 (2)
- どうする? サスティナブルな洗濯 (3)
- メディアを使った間接コミュニケーション (3)
- もうすぐ春がやってくる! 写真で伝えるセンス・オブ・ワンダー (1)
- 人と環境をつなぐ「花」のおはなし (3)
- 人気アウトドアメーカーは どんな環境の取り組みをしているの? (2)
- 今、子どもに向けたワークショップが熱い! (2)
- 今年こそ、エコツアーに行こう! (6)
- 今年こそ資格をとろう!自然体験型環境教育の資格・認定 (1)
- 地域を動かす移住者たち (3)
- 変わる!プラスチックの使い方 (3)
- 外であそぼう! (4)
- 夫婦で森に生きる (3)
- 子どもたちの自立を育むコミュニケーション (3)
- 学校で有効な環境教育的教育手法 (3)
- 市区町村の都市型環境教育のとりくみ「水」「森」「施設」 (3)
- 日中韓の環境教育の今 (3)
- 日本ならではのSDGsって? (4)
- 海の環境問題と環境教育 (3)
- 清里ミーティング30th (5)
- 環境教育✖️フェス (4)
- 環境教育って効果があるの? (2)
- 環境教育施設としての動物園・水族館 (3)
- 自然を感じる服 (3)
- 自然学校でラーケーション&ワーケーションしよう! (1)
- 自然学校の今 (7)
- 遊ぶ、学ぶ、サステナブる。 (1)
- 里山イニシアチブ 野生動物と向き合う (1)
- 食とエネルギー (3)
- 食べ物を育てる×教育 (2)
- 食品ロスから環境を考える (3)
- 理事コラム (11)
- 環境教育のものさし (7)
- 考えるっておもしろいかも!? (31)
- 超大 狩猟免許をとる! (3)
- 鈴木みきの山便り (5)