考えるっておもしろいかも!? パート3:第3回「教える」ばかりではつまらない!
- 2017/08/07
- カテゴリー:考えるっておもしろいかも!?

文:鴨川光(ジャパンGEMSセンター研究員)
思考が拡散する快感
『宝もの箱』という算数のGEMSプログラムがあります。ボタンや切手、ビール瓶の王冠など身の回りにあるものをグループでわいわい話し合いながら仲間分けしていくアクティビティが人気で、体験した方からは「ものを分けるだけでこんなに楽しめるなんて!」という感想をよくいただきます。どうしてそんなに夢中になれるのでしょう。
ポイントは「視点の数」です。例えばボタンを分類する場合、色、形、大きさ、厚み、穴の数といった見た目だけでなく、落とした時の音の高さや跳ね方、転がり方などアクションを加えた時の視点でも分けることができます。かつて「温度(金属製のボタンは触ると冷たい)」で分けた子もいました。Amazing!
視点が多いとそれだけ思考が拡散します。色で分けるにしても、これは何色に入れようか、縞模様はどうしようなど、次々と疑問やアイディアをぺちゃくちゃしている時間はとても楽しいもの。この楽しい時間をぶった切ることなく、その流れのまま学びにつなげるためには、目の前の体験から学びを抽出する関わり方(ファシリテーション)が大切です。
子どもたちの気づきを大切に
教育における大人と子どもの関わりを考えると、一番多いのは「教える(ティーチング)」ではないでしょうか。これは、自分が持っている知識や技術を相手に伝えるというアプローチです。つまり、自分なりの「答え」がある程度想定されているため、その枠組みの外に拡散したアイディアは切り捨てられてしまいかねません。子どもたちの気づきや考えをそのまま活かしていくファシリテーションとは本質的に異なるのです。
効率よく教えることと、楽しく学ぶこと。どちらも大切な教育の要素ですが、教えるだけでなく、子どもたちの気づきを学びに結びつけるアプローチも活用してみてはいかがでしょうか。
2017年7、8月号
- 漁師の自然環境保全の意識向上による 地域振興を目指して
- 大自然を追いかけて
- 掌の上の鼓動
- 地域の若者と考えるゴミ問題(カンボジア)
- 歌と対話にこころ揺らされた夜 アースデイ後夜祭FESling が残したもの
- 自然体験「効果の証明」
- マングローブがもたらす恩恵を活かした自然共生型地域づくりを目指して
- 考えるっておもしろいかも!? パート3:第3回「教える」ばかりではつまらない!
- JEEF会員は無料で受講 ♪ まずは、知るところから始めよう
- パート3:開発途上地域(アジア)の地域デザイン第1回 〜社会的弱者を含む地域が一体となった包括的な教育プログラムの必要性〜
カテゴリー
- worldexpress (13)
- 事業レポート (79)
- GEMS (2)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ハにおける地域に根ざした持続可能な観光開発と人材育成プロジェクト (6)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ポブジカにおける地域に根ざした持続可能な観光の開発 (6)
- NEC森の人づくり講座 (2)
- SAVE JAPANプロジェクト (1)
- インドネシア (6)
- カンボジアにおけるオオヅル及び生息地の保全に関する環境教育・普及啓発事業 (1)
- きのこたけのこ里山学校 (2)
- ハイフォン市都市環境整備にかかる環境教育・普及啓発プロジェクト (3)
- バングラデシュ国における事業 (18)
- 企業の人材育成事業 (1)
- 市民の市民のための環境公開講座 (4)
- 日本の環境を守る 若武者育成塾 (7)
- 東京シニア自然大学 専科 (2)
- 東京シニア自然大学 本科 (1)
- 清里ミーティング (3)
- 王子の森自然学校 (2)
- 人が育つ場づくり (5)
- 国際事業コラム (24)
- 地域の課題解決あの人に聞きました! (8)
- 寒さを楽しむ。温もりを感じる。 (1)
- 小さなサスティナブルのカケラ (4)
- 投稿 (4)
- 次世代のホープ達 (3)
- 清里ミーティング30thコラム (1)
- 特集 (131)
- 「伝える」ちから (3)
- 「未来を豊かに」を仕事にする (5)
- 「食」をとおしていのちをつたえる (3)
- 2020年までにチェックしたい9つのサスティナブル・トピック (3)
- esdユネスコ世界会議を終えて (4)
- JEEF25周年 私を形づくっている自然の原体験 (3)
- SDGs×教育 (3)
- アクティブラーニングってなに? (3)
- あなたの買い物が社会を変える (3)
- いま泊まりたい“学べる宿” (3)
- クリスマスの景色が変わる?生き物の変化と気候変動を知る。 (3)
- さあ! 2枚目の名刺をもとう (3)
- サイエンスと環境教育 (1)
- シニアからの環境教育 (2)
- どうする? サスティナブルな洗濯 (3)
- メディアを使った間接コミュニケーション (3)
- もうすぐ春がやってくる! 写真で伝えるセンス・オブ・ワンダー (1)
- 人と環境をつなぐ「花」のおはなし (3)
- 人気アウトドアメーカーは どんな環境の取り組みをしているの? (2)
- 今、子どもに向けたワークショップが熱い! (2)
- 今年こそ、エコツアーに行こう! (6)
- 今年こそ資格をとろう!自然体験型環境教育の資格・認定 (1)
- 地域を動かす移住者たち (3)
- 変わる!プラスチックの使い方 (3)
- 外であそぼう! (4)
- 夫婦で森に生きる (3)
- 子どもたちの自立を育むコミュニケーション (3)
- 学校で有効な環境教育的教育手法 (3)
- 市区町村の都市型環境教育のとりくみ「水」「森」「施設」 (3)
- 日中韓の環境教育の今 (3)
- 日本ならではのSDGsって? (4)
- 海の環境問題と環境教育 (3)
- 清里ミーティング30th (5)
- 環境教育✖️フェス (4)
- 環境教育って効果があるの? (2)
- 環境教育施設としての動物園・水族館 (3)
- 自然を感じる服 (3)
- 自然学校でラーケーション&ワーケーションしよう! (1)
- 自然学校の今 (7)
- 遊ぶ、学ぶ、サステナブる。 (1)
- 里山イニシアチブ 野生動物と向き合う (1)
- 食とエネルギー (3)
- 食べ物を育てる×教育 (2)
- 食品ロスから環境を考える (3)
- 理事コラム (11)
- 環境教育のものさし (7)
- 考えるっておもしろいかも!? (31)
- 超大 狩猟免許をとる! (3)
- 鈴木みきの山便り (5)