はじめてのサイエンス カエルの算数 予想して、よく考えて、遊ぼう

文:鴨川 光(JEEF職員 ジャパンGEMSセンター担当)
【実施日】2013年10月20日(日)
【開催地】日能研恵比寿ビル7Fセミナールーム
【参加者】大人5名、子ども5名
【主催】ジャパンGEMSセンター
ジャパンGEMSセンターでは、幼稚園~小学校年代の親子を対象とした科学教室「はじめてのサイエンス」を開催しています。タイトルの通り、これまでサイエンスにあまりふれてこなかったお子さんにサイエンスを楽しんでもらうためのワークショップです。 今回は先月行われた第2回「カエルの算数」の様子を紹介します!
遊びの中で算数の基本的なスキルを学ぶ
遊びの中で算数の基本的なスキルを学ぶ GEMSプログラム『カエルの算数~予想して、よく考えて、遊ぼう』は、幼稚園児~小学校低学年をメインターゲットに作られている算数のプログラムです。このプログラムのおもしろいところは、算数の“知識”ではなく、「観察する」「予想する」「分類する」といった算数の“考え方”を様々なアクティビティを通しながら学んでいけるところです。それでは、それぞれのアクティビティをのぞいてみましょう!
なくしたボタンのお話
まずアーノルド・ローベル著『ふたりはともだち』(三木卓訳、文化出版局)に収められている「なくしたボタン」というお話の読み聞かせから始まります。このお話では、がまくんがなくしてしまったボタンを親友のかえるくんと一緒に探す中でいろいろなボタンを見つけていくのですが、読み聞かせが終わると子どもたちにもおもちゃのボタンが配られます。
子どもたちは自由にボタンで遊びながら、がまくん・かえるくんと同じようにそれぞれのボタンの違いを観察します。赤いボタン、青いボタン、四角いボタン、三角のボタン…子どもたちのわくわくが刺激される時間です。
分類すること 分類を考えること
今度は本物のボタンを使って分類をします。おもちゃのボタンと違って、本物のボタンは色も形も穴の数も種類が豊富!子どもたちは思い思いの分け方でボタンを分類していきます。色で分ける子もいれば形でわかる子もいる、中には「赤っぽくて丸いボタン」といったように2つの要素を掛け合わせて高度な分類をする子もいます。さらに、お互いの分類したボタンをクイズにして、どのように分けたかを推理しました。
ちょっと余談になりますが、この「分類」というスキルは算数だけでなく、日常生活においても片付けをするときや優先順位を決めるときなど多くの場面で重要な役割を果たします。ボタンという身近な木アイテムを使って、日常生活の中で大切な力を育てることができるのです。
池に飛び込め!ゲーム
このゲームは、サイコロを使って「予想」のスキルと「確率」の考え方について学びます。まずは6匹のカエルが池に飛び込もうとする競争します。カエルたちはサイコロの出た目によって池に近づいていきます(出た目の番号のカエルが1マス進む)。そして、ゲームの結果を分析します。果たしてどのカエルが一着でゴールするか予想できますか?
次に、12匹のカエルで競争します。2つのサイコロを振って、出た目の数の合計の番号のカエルが1マス進めます。それでは、こちらの場合はどのカエルが一着でゴールするか予想できるでしょうか?レースは本当に公平でしょうか?
サイコロを何度も振り、出た目を記録し続けると、子どもたちは次第に「確率」という考え方に気付いていきます。知識を教えるのではなく、体験を通して子どもたちが自然と閃いていくサポートをGEMSの指導者は心掛けています。
文責:鴨川 光(JEEF職員)
ジャパンGEMSセンター
2013年12月号
- はじめてのサイエンス カエルの算数 予想して、よく考えて、遊ぼう
- 学びから行動へ 学生のための「森の人づくり」
- 転職のススメ
- 伝えると伝わるは違う? (インタープリテーションを通して「伝える」)
- 伝えるとはなにか(環境教育において「伝える」の基本)
- 最終回:雪の音
- つくる力こそ生きる力 今! (モノづくりを通して「伝える」)
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