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機関誌「地球のこども」

狩猟 〜動物の命をいただく行為から学んだ 自然を大切に想う心〜

文:小川 岳人(サラリーマン猟師)

東京で狩猟をやっています。『東京で猟ができるの!?』と、驚かれたのではないでしょうか? 多くの方は、大都市東京で猟ができるなんて想像し難いことでしょう。ところが、東京都心から日帰りで自然を楽しめるミシュラン三ツ星認定の「高尾山」や、ハイキング・温泉で人気の「奥多摩」には、イノシシ、シカなどの野生動物が生息しているのです。

しかも、近年は、山林や農作物に害が出るほどに生息数が増えてきています。私は普段は会社員をしていますが、仕事の前後と休日の時間を使い、東京あきる野市で狩猟活動をしています。高尾山や奥多摩と同じように、イノシシやシカ、近年ではアライグマが有害動物として指定されており、狩猟対象となっています。仕事の前後は、設置した罠に獲物がかかっているかどうかの見回りを行い、休日は猟銃を持って山に入り獲物を追っています。

都市生活のリスクを考えた狩猟を始めたキッカケは、東日本大震災でした。お金があっても食べ物飲み物を買えない経験をして、「便利な都市生活のリスク」を考えるようになったからです。狩猟ができれば、災害に遭い、お金が役に立たなくなっても、山に入って食べ物を自給できると考えました。

しかし、実際狩猟を始めようとすると、狩猟を行うための免許を取得、猟銃を得るための免許、狩猟をするために収める税金など、多額の費用がかかることがわかり、理想としていた自給とは異なるものでした。

キャンプ場じゃない!野生動物が暮らす場所

理想と現実とのギャップに戸惑いながらも、自分に大きな変化が訪れました。狩猟者として山に入ると、これまで趣味としていた登山やキャンプと違う視点で山を見られるようになったのです。山は野生動物の住処であり、彼らが生きている証があちこちに点在しています。

餌を食べた場所、トイレの場所、整備された道、寝床など様々な動物が私たち人間と同じく生活しているのです。これまで山は、登山やキャンプを楽しむ場所だと考えていたので、野生動物のことを意識したことなどありませんでした。それが、狩猟を始めて動物を獲ろうと行動すると、まず獲物の生態を知らねばなりません。この時期はどういったものを食べ、どういった場所にいるのかと。

野生動物を狩るために、動物の生態を学んでいくうちに、山は登山やキャンプをする場所ではなく、野生動物たちが暮らす場所と考えるようになりました。「地球は生きとし生けるもの」と大きく考えるようにもなりました。

山が無くなると、野生動物の住処が無くなってしまう。猟ができなくなってしまう。そう思うと、普段の生活がエコロジカルなものになっていきます。無駄にゴミを出さないよう心がけるようになり、無駄な買い物が減りました。牛、豚、鶏という、当たり前にスーパーで購入するお肉の生産にかかる、環境負荷を知りました。

狩猟というと、動物の命を奪う行為ですので、残酷だと思われる方もいます。ですが、狩猟をやっているからこそ、普段から自然環境のことを観察し、考えています。

都内の高校にて特別講師として授業を行っている様子。 「自然と人間との関わり」というテーマを投げかけ、生徒と一緒に考えるようにしている。

都内のイベントに出かけている様子。「サラリーマン猟師」と名乗っていることもあり、わかりやすくスーツに狩猟用キャップというコスチュームで臨むことが多い。(撮影:幡野広志

 

 

若者が始められるシステム 罠シェアリング

今、狩猟の世界でも若手不足が叫ばれています。お金もかかるので、誰もが気軽に始められないのが現状です。それを打開すべく、「罠シェアリング」という取り組みを行っています。みんなで費用を出し合って、罠を購入し、獲物が獲れたら公平に分け、山の恵みに感謝して余すことなくいただくというシステムです。多くの人が、狩猟を体験すれば、自然を大切に想う心が芽生えると信じています。

罠シェアリングの罠にかかった獲物の“止め刺し”をしているところ。 首にナイフを刺し絶命するまでの時間、毎回、「かわいそう」「ごめんなさい」と複雑な想いが交錯する。

 

 

今後も会社員をしながら、狩猟を行い、この取り組みを広めて、狩猟の楽しさ、自然の大切さを発信し続けていく所存です。

 

小川 岳人(おがわ たけと)

熊本県出身。都会に憧れ上京するも、都市生活が肌に合わず、2013年に東京の田舎「あきる野市」へ引っ越し。趣味の登山やキャンプを追求するうち、東京でも狩猟ができることを知る。現代において、狩猟とジビエ食文化をもっと身近なものにしたいと思い立ち、新しい狩猟の方法として「罠シェアリング」を提唱、普及活動を続けている。

2018年3、4月号

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