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機関誌「地球のこども」

ウエイスト・ピッカーの能力開発を通じた労働・生活の改善

文:佐藤秀樹(国際事業部チーフコンサルタント)

【事業名】バングラデシュ・クルナ市のウエイスト・ピッカー(廃棄物回収人)を対象とした地域社会内廃棄物管理改善プロジェクト〜 南アジアにおける社会配慮的視点から環境共生型社会の構築を目指して
【実施期間】2015年10月~2018年9月
【実施地】バングラデシュ・クルナ市
【資金提供】三井物産環境基金
【現地パートナー団体】バングラデシュ環境開発協会(BEDS)

今回は、事業を開始してから1年半(2017年3月時点)が経過したことを踏まえ、これまで主に実施してきた活動や成果について整理し、報告します。

この事業では、ごみ集積場でペットボトル、瓶、缶、金属類、古紙等の有価廃棄物を分別・回収して仲介業者に売り渡しているバングラデシュ・クルナ市のウエイスト・ピッカーの労働・生活を改善するために実施しています。そして、彼らが地域(市役所、住民、NGO等)と協働した廃棄物管理の実現や、彼らの社会参画による、住民の差別・偏見を緩和させていくことを目標にしています。

活動内容とその成果

1.廃棄物管理委員会の設立

この事業を円滑に進めるため、クルナ市役所保全局、クルナ管区環境林業省、教育省やクルナ大学、対象区(※1)の代表者、BEDSやJEEFのNGO等、ごみ問題に関わる有識者から成る廃棄物管理委員会WMCs(※2)を結成しました。廃棄物管理に関わる横断的なWMCsを組織化できたことで、事業を進めるに当たっての有意義なフィードバックや提案を受ける基盤を構築できました。

2.ウエイスト・ピッカー協同組合の設立

廃棄物管理へ積極的な関わりを目指す志の高いウエイスト・ピッカー40世帯を選抜、彼らをウエイスト・ピッカー協同組合(※3)として組織化し、政府の協同組合局に申請し正式に承認されました。この協同組合の持続性を確保するため、組合としての銀行口座を開設し、各世帯から毎月100タカ(130円程)を徴収し預金しています。組合化によって、ウエイスト・ピッカー同士の結束力や相互対話の機会が増えたことは、良かった点の一つです。

※1:17区、24区およびRajbandhごみ最終処分場
※2:WMCs: Waste Management Committees
※3:英語名: Waste Pickers Workers Cooperative Society Ltd.

3.衛生教育教材の開発と研修会の実施

廃棄物管理委員会の協力の下、ウエイスト・ピッカーの労働環境を改善するための衛生教育の教材(2種類のポスター、フリップカード)を開発しました。また、開発された教育教材を用いて、ウエイスト・ピッカー40世帯を対象とした研修プログラムを実施しました。ごみ拾い時に、マスク、手袋や長靴等の衛生用具を身に着けることの重要性や、ごみ拾いの際に潜む危険性および健康を維持するために留意すべき事について伝えることができました。

4.識字教育の実施

廃棄物管理委員会や学校教員の協力により、ウエイスト・ピッカーを対象に識字教育を実施しました。目標としていた、①ベンガル語のアルファベットの習得、②自分の名前をベンガル語で書けるようになること、③買物で使う簡単な算数(足し算引き算)が、組合員40世帯の9割以上で可能となりました。

ウエイスト・ピッカー40世帯を対象とした識字教育を30回実施

5.スタディツアーの開催

クルナ市のウエイスト・ピッカー9名と廃棄物管理委員会のメンバーが、ラッシャイ市へのスタディツアーを開催しました。ラッシャイ市役所、区協議会、市のウエイスト・ピッカーと地域の廃棄物管理関係者との意見交換、ごみ集積場への視察の後、クルナ市のウエイスト・ピッカーがラッシャイ市のウエイスト・ピッカーに対して、衛生教育教材を活用した研修会を実施しました。今回のスタディツアーでは、ラッシャイ市長とウエイスト・ピッカーとの面談の機会を設けることができたこと等、ウエイスト・ピッカーが地域社会で果たす役割の認識やその認知度を高めることができました。

6.環境教育教材の開発

廃棄物管理委員会や小中学校教師等の関係者との意見交換、ワークショップを踏まえて、ウエイスト・ピッカーの内容を含めた廃棄物管理の環境教育教材4種類(クイズ付フリップカード、カルタ、ボードゲーム、アクションプランシート)を開発しました。

教員による環境教育教材の検討会

今後の主な活動

今後は、小中学校40校とウエイスト・ピッカー協同組合が連携しての環境教育プログラム実施。地域を巻込んだ清掃活動。そして、ウエイスト・ピッカー組合による有価廃棄物事業への支援策の検討およびそのパイロットプロジェクトを実施していきます。

本事業は、三井物産環境基金の活動助成を受け、現地パートナー団体であるバングラデシュ環境開発協会(ローカルNGO)の協力を仰ぎながら進めています。

2017年9、10月号

地球のこども2017年9月号

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