JEEF理事のイマコレ!今注目していることは「地域循環型の脱炭素な サスティナブルビレッジ をつくること」
- 2019/12/31
- カテゴリー:理事コラム

文:高木 幹夫(株式会社日能研)

地域循環型の脱炭素なサスティナブルビレッジをつくることです。
現在宮城県鳴子温泉のそばで仲間とともに、災害時対応型、地域循環型の脱炭素なサスティナブルビレッジ作りに取り組んでいます。
エネルギーの自立
自立型とは独自の水道、独自の電力、独自の熱源を持っていることです。この3つは公共インフラと密接に繋がっていて、法制度の壁で阻まれています。
特に電気に関しては平常時のFIT(固定価格買い取り制度)高圧接続の申請がなかなか下りず、苦戦中。緊急時のビレッジ内送電網の許可も同様です。「水」については非常用井戸が準備できれば、災害時緊急時まで水道法は追いかけてこないようですが。
難問である電力については、熱と共に解決しようとしているところです。サスティナブルビレッジは小さいため、タービン式のような大きな装置を入れることができません。そこで、木質バイオマスウッドチップによるCHP(熱電供給装置)を設置。今回はウッドチップをガス化して、そのガスでエンジンを動かし発電をし、生まれる熱でお湯を作る、という選択をしました。
日本の杉を使い山を綺麗に
ここで使う燃料は日本の杉の木。手がつけられずにいる山の杉の木を間伐し山を綺麗にすると同時に、燃料としての役割を持たせ地域循環する、という一石二鳥を考えました。

宮城エコラの森での採材作業
ところが始めてみると、ガス化CHPは外国製。日本の杉の木をガス化するノウハウは蓄積されておらず、またしても苦戦。それでも一つ一つ実証実験を重ね、ようやく導入運用のめどが立ってきました。
取り組みのさなか「日本の杉では無理だ」という冷ややかな声も多い一方で、「実現すれば手つかずになっている杉の植林を綺麗にできる」という期待と励ましの言葉も沢山ありました。
このシステムが完成すれば、山の傍でウッドチップを生産、燃料として発電ができ、お湯も手に入ります。過疎になっていく地域に新しい循環型の経済を導入することにもなるでしょう。何としても実現したい。もう一歩です。
2019年11、12月号
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