地域の課題解決あの人に聞きました!Vol.7 人や社会の課題を外部の人が「思える」社会に
- 2019/08/07
- カテゴリー:地域の課題解決あの人に聞きました!

文・インタビュアー:山口泰昌(事業部海外事業グループ コーディネーター)

今回のインタビューは
認定NPO法人 地球市民の会 代表
岩永 清邦さん
私の出身地である佐賀県。有明海、虹ノ松原、武雄の大楠など自然が豊かで、佐賀牛、呼子のイカ、佐賀海苔などご飯もおいしい自慢の故郷です。そんな魅力ある佐賀も、日本全国の地方が抱える問題に直面しています。
その解決のため活動している佐賀市の「地球市民の会」事務局長、岩永さんにお話を伺いました。
足元を見つめる
まず、この会が地域の課題解決に乗り出したきっかけについて伺いました。
「平成の大合併の影響で地域が拡大し、旧佐賀市にはなかった少子高齢化や過疎化、耕作地放棄の問題が出てきました。そんな時、会の設立から25周年を迎え、それまでは海外支援を中心に行っていましたが、足元も見ていこうとなりました。」
そこで岩永さんたちは、交流人口を増やし、かつ耕作放棄地を再利用するため、山間地に位置する富士町で木綿の種を植える活動を始めました。
木綿で町と町をつなぐ
種は、合併して佐賀市となった川副町から仕入れています。海沿いにあるこの町では、以前から、土壌の塩分を抜き取る力を持つ木綿を利用して農業を行っていました。塩抜きに使っていた木綿も収穫・販売し、生計を立てている方が大勢いました。しかし時代の流れとともに、木綿農家が減少していったのです。
「でも、ずっとやってきた方は先祖から残されてきた種を残したいんですよね。それで、『耕作放棄地で困っている富士町に植えませんか?』と川副町の方に提案しました」
川副町の方は提案を承諾。岩永さんは思いました。「山と海がつながった!」と。
しかし今後の課題について、彼は次のように語ります。
「活動はすでに9年続いていますが、未だに人口減少や耕作地放棄の問題は残ります。いかに根治させるか、経済ラインに乗せて循環させるのかが今後の課題です。」
地域課題を他人事にしない
会が目指すのは、様々な課題に対して外部の人が「思える」社会。岩永さんは次のように思いを語ってくれました。
「同じ佐賀市でも川副町の人が富士町のことを知らんぷりせず、災害にしろなんにしろ困っているなら手伝おうぜとか、そういった関係づくりにつなげていけたらなって。」
岩永さんとお話しして、私が地元のためにできることを考えてみたくなりました。
2019年7、8月号
- JEEF理事のイマコレ!今注目していることは「身近な自然としての身体」
- 考えるっておもしろいかも!? パート4:第9回 子どもの学びをまん中にした 関わり方
- 能登半島暮らしで見つけた、地域と人を結ぶ仕事 〜里海の可能性をみつめる女性起業家として〜
- 超大 狩猟免許を取る!第2回 ハンターになるまでの道のり
- 地域コミュニティと共につくる子育てや暮らし
- 地域の課題解決あの人に聞きました!Vol.7 人や社会の課題を外部の人が「思える」社会に
- 招かれざるヨソ者からのメッセージ
カテゴリー
- worldexpress (13)
- 事業レポート (79)
- GEMS (2)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ハにおける地域に根ざした持続可能な観光開発と人材育成プロジェクト (6)
- JICA草の根技術協力事業 ブータン王国ポブジカにおける地域に根ざした持続可能な観光の開発 (6)
- NEC森の人づくり講座 (2)
- SAVE JAPANプロジェクト (1)
- インドネシア (6)
- カンボジアにおけるオオヅル及び生息地の保全に関する環境教育・普及啓発事業 (1)
- きのこたけのこ里山学校 (2)
- ハイフォン市都市環境整備にかかる環境教育・普及啓発プロジェクト (3)
- バングラデシュ国における事業 (18)
- 企業の人材育成事業 (1)
- 市民の市民のための環境公開講座 (4)
- 日本の環境を守る 若武者育成塾 (7)
- 東京シニア自然大学 専科 (2)
- 東京シニア自然大学 本科 (1)
- 清里ミーティング (3)
- 王子の森自然学校 (2)
- 人が育つ場づくり (5)
- 国際事業コラム (24)
- 地域の課題解決あの人に聞きました! (8)
- 寒さを楽しむ。温もりを感じる。 (1)
- 小さなサスティナブルのカケラ (4)
- 投稿 (4)
- 次世代のホープ達 (3)
- 清里ミーティング30thコラム (1)
- 特集 (131)
- 「伝える」ちから (3)
- 「未来を豊かに」を仕事にする (5)
- 「食」をとおしていのちをつたえる (3)
- 2020年までにチェックしたい9つのサスティナブル・トピック (3)
- esdユネスコ世界会議を終えて (4)
- JEEF25周年 私を形づくっている自然の原体験 (3)
- SDGs×教育 (3)
- アクティブラーニングってなに? (3)
- あなたの買い物が社会を変える (3)
- いま泊まりたい“学べる宿” (3)
- クリスマスの景色が変わる?生き物の変化と気候変動を知る。 (3)
- さあ! 2枚目の名刺をもとう (3)
- サイエンスと環境教育 (1)
- シニアからの環境教育 (2)
- どうする? サスティナブルな洗濯 (3)
- メディアを使った間接コミュニケーション (3)
- もうすぐ春がやってくる! 写真で伝えるセンス・オブ・ワンダー (1)
- 人と環境をつなぐ「花」のおはなし (3)
- 人気アウトドアメーカーは どんな環境の取り組みをしているの? (2)
- 今、子どもに向けたワークショップが熱い! (2)
- 今年こそ、エコツアーに行こう! (6)
- 今年こそ資格をとろう!自然体験型環境教育の資格・認定 (1)
- 地域を動かす移住者たち (3)
- 変わる!プラスチックの使い方 (3)
- 外であそぼう! (4)
- 夫婦で森に生きる (3)
- 子どもたちの自立を育むコミュニケーション (3)
- 学校で有効な環境教育的教育手法 (3)
- 市区町村の都市型環境教育のとりくみ「水」「森」「施設」 (3)
- 日中韓の環境教育の今 (3)
- 日本ならではのSDGsって? (4)
- 海の環境問題と環境教育 (3)
- 清里ミーティング30th (5)
- 環境教育✖️フェス (4)
- 環境教育って効果があるの? (2)
- 環境教育施設としての動物園・水族館 (3)
- 自然を感じる服 (3)
- 自然学校でラーケーション&ワーケーションしよう! (1)
- 自然学校の今 (7)
- 遊ぶ、学ぶ、サステナブる。 (1)
- 里山イニシアチブ 野生動物と向き合う (1)
- 食とエネルギー (3)
- 食べ物を育てる×教育 (2)
- 食品ロスから環境を考える (3)
- 理事コラム (11)
- 環境教育のものさし (7)
- 考えるっておもしろいかも!? (31)
- 超大 狩猟免許をとる! (3)
- 鈴木みきの山便り (5)