第2回 花の名前
- 2013/09/26
- カテゴリー:鈴木みきの山便り

登山の最盛期は夏。標高の高い日本アルプスが扉を大きく開いてくれる季節です。夏山の思い出を巡らせると、いつでも足元には高山植物があるものです。私は花の名前を覚えようと図鑑を見ながら歩くことはありませんが、毎年何年も歩いて何度も同じ花に会っているうちに覚えた花の名前が増えてきました。
家に帰って毎回出会った花ひとつひとつを調べることはなくても、もしその時にとても気になったお花があれば図鑑で調べたくなります。そうすると、調べるのに慣れていないので図鑑を全体的に眺める羽目になります。なかなか似たような花が探せず遠回りしてしまうのですが、その遠回りする間に別の見たことのある花を発見することは少なくありません。とはいえ一度で名前を覚えられることはほとんどなく「は~、いつも咲いているこのお花はこういう名前なのか~」「そうそう、このお花はこういう名前だった!」というのを何度となく繰り返すうちに、山で名前が出るようになってきました。やはりそうすると嬉しいものです。
花や木の名前の博士のような登山者やそれを目当てに山に行く人はたくさんいます。それにはちっとも及びませんが私も花や木が好きです。登山同行ツアーなどで一緒に山に行く初心者の方がよく「花の名前が覚えられない」と悩んでいるのですが、大事なのは名前ではなくてそれを見て「きれいだな」「かわいいな」と感じることではないかなとお話することがあります。自分で図鑑を調べたって忘れてしまうくらいですから、その場で人に名前を教えてもらっても同じこと。もし覚えたかったら山では常に花に気を留めて、自分で繰り返し調べるしかないのです。だからそんな初心者の方に私は名前を覚える前に自分で名前をつけてみるのを奨めています。
名前を覚えて誰かに教えてあげることが目的ではなければ、本人だけが分かる「あだ名」だっていいと思うのです。そのほうがかなり覚えられます。その花の特徴や印象、その日の天気などでもいいかもしれません。「フワフワのやつ」とか「黄色い大きい花」とかそんな簡単なあだ名でもいいから名前をつけてみると、次に出会ったときに会いたかった友人と再会したような気になるでしょう。そのうちに図鑑をめくってみると正式名称が不思議とすんなり入ってくるものです。人間が相手でも好きになったり、気になればもっと知りたいと思うでしょう? あだ名じゃなくて本名も。それと同じなんじゃないかな。
2013年9月号
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