バングラデシュ・ジョショール県で実施してきた「零細ヤシ砂糖生産者と花卉農家の6次産業化を通じた生計向上プロジェクト」が、3年間の活動を終えました。
本事業では、農村生産者135世帯を対象に、地域のヤシ樹液採取や花卉などを活用し、生産だけでなく、加工・商品開発・販売、さらにアグロツーリズムまでをつなげる「6次産業化」に取り組んできました。
4つのグループすべてで所得向上目標を達成
3年間の大きな成果の一つが、生産者の所得向上です。
事業開始前と比較して、ヤシ樹液採取の生産者23.94%、手工芸品生産者21.41%、花卉生産者23.45%、アグロツーリズム32.14%の現金収入増加が確認され、すべてのグループで当初の目標(20%、アグロツーリズムは25%)を上回りました。
第3年次には、商品品質の改善や加工・包装・マーケティング研修を進め、ヤシ、手工芸品、花卉では全国30店舗の販売拠点を開拓しました。また、ヤシ苗木550本の販売、5か所の花卉苗木園での販売、ミミズコンポストの生産・販売など、地域資源を生かした新たな収入機会も生まれました。
さらに、農村の暮らしや農業そのものを地域資源として活用するアグロツーリズムにも取り組みました。
宿泊用コテージ4棟とキッチンを整備し、ホームステイや花卉農園、ヤシ樹液の生産・加工現場を活用したプログラムを実施。155人の観光客を受け入れました。
環境と生計を次の世代へ
地域の自然資源を守りながら生計を向上させることも、本事業の重要なテーマです。
ヤシ苗1,000本の植樹や有機農業を進めるとともに、地域の小学校10校で有機農業をテーマとした環境教育を実施しました。
事業終了後は、農村生産者協同組合が中心となり、これまでに培った生産・加工技術、販売網、オンライン販売、アグロツーリズム等を継続します。商品や観光サービスから得られる収益を施設の維持管理や次の活動につなげ、地域主体による持続的な運営を目指します。
3年間の取組は、農村生産者の所得・雇用機会を広げるSDGs目標1「貧困をなくそう」、目標8「働きがいも経済成長も」をはじめ、地域資源の活用や有機農業、植樹を通じて目標12、13、15にもつながっています。
地域にあるものを生かし、地域の人たち自身が生産し、加工し、売り、次の収入へとつなげる、3年間で築いたこの仕組みが、これからもジョショールの地域に根づいていくことを期待しています。








<本事業の関連情報は以下をご覧ください>
第3年次事業中間報告
第2年次事業完了報告
第2年次事業中間報告
第1年次事業完了報告
第1年次事業中間報告
第1・第2・第3年次事業計画
*本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の支援を受けて実施しています。
文責:日本環境教育フォーラム 客員上席研究員/江戸川大学 社会学部 准教授
佐藤 秀樹
