2026年8月6日(木)、横浜市における海洋プラスチック環境教育プログラムの一環として、「海の科学者講座アドバンス」を開催しました。
毎年開催している「海の科学者講座」を修了し、さらに海洋プラスチック問題について理解を深めたいという6名の小中学生が、横浜市の環境科学研究所やプラスチックリサイクル工場を訪れ、プラスチックの現状と未来について学びました。
※このプログラムは、ジョンソン株式会社からの寄付金によって支援されています。

横浜のマイクロプラスチック状況について知る
まず訪れたのは、横浜市の環境科学研究所。
こちらでは、横浜市内の生物多様性の保全やヒートアイランド現象などの都市環境問題に関する調査研究の一環として、河川の水質調査やマイクロプラスチック調査も行っています。

子どもたちの熱意をお伝えしたところ、横浜市内の海川の自然環境とマイクロプラスチック調査に特化したレクチャーを企画してくださいました。

横浜市には、江戸時代以降に造られた治水路も含めて多くの河川があります。
約140kmと長い海岸線を持つ港町のイメージが強い横浜市ですが、実は一般人が入れる砂浜は約2kmとほとんどありません。
そこで、調査は市内を流れる3つの河川を中心に行われています。

ここではお出しできませんが、実際の調査データなどもお見せいただきました。
自分たちが住む街でどのような調査が行われ、何が分かっているのか、身近だからこそ子どもたちも真剣に聞き入っています。

さらに、マイクロプラスチックの回収も体験。
実際に横浜市内の海岸から採取してきた砂の中には、微細なプラスチックがたくさん入っていました。
「これプラスチック?」「小さすぎて取れないー!」などと、わいわいおしゃべりしながらピンセットで回収してきます。


そして、回収したマイクロプラスチックを、測定器を使って組成を分析。
元が何の製品で、どうやって流れてきたかを推測していくという研究所ならではの体験もできました!

市内のプラスチックごみの行方を探る
午後からは、市内にあるプラスチックリサイクル工場へ。
海洋プラスチック問題について理解を深めるためには、自分たちが出したプラスチック(※)がどのように処理されているかを知ることも大切です。
※横浜市では、2025年4月より「プラスチックごみ」から「プラスチック資源」と名称を改めました。

この日は平日だったため、工場には市内の集積場から続々と家庭のプラスチック資源が運び込まれてきます。
高さ4mほどに積み上げられたプラスチックの量に圧倒され、子どもたちは言葉もなく眺めています。
さらにプラスチックの山から漂ってくる臭いに顔をしかめる子も。
プラスチックを捨てるときに、みんながゆすいでから捨ててくれればこの臭いはなくなっていくんだよと教えていただきました。

さらに選別セクションへ。
こちらでは、プラスチック以外の異物が混入しないよう、最終的には人の目で除去しています。
特に最近ではモバイルバッテリーやビーズクッションの混入などが問題になっているとのこと。前者は表面はプラスチックですが、中身は機械の圧で発火可能性のあるリチウム電池ですし、後者は細かすぎて機械の隙間からこぼれ落ちてしまいます。
プラスチックのリサイクルは、機械による作業だけではなく、最後はまだ人の手が必要になります。

そして、もう1つ教えていただいたのは、袋状のプラスチックの捨て方です。
ごみをできるだけコンパクトにと思ってついつい畳んだり結んだりしてしまうのですが、実は結ばれたプラスチックは機会に詰まりやすく、リサイクルしにくいとのこと…!
これには子どもたちだけでなくスタッフも、「今まで良かれと思って結んで捨ててた…」と驚きです。

最終的に機械で圧縮されて1㎥の固まりになったプラスチック。これが1日で約350個製造されるそうです。
表面をビニールで覆っているのは、細かいプラスチックがこぼれ落ちないようにするため。
どんなに圧縮していても、大量にごみがあれば自然界に流出してしまう可能性は出てきてしまいます。

そうならないためには、日常のプラスチック使用量を減らしていくことが大切です。
ということで、最後は横浜駅に隣接するセレクトショップEthical & SEAへ。
こちらでは、プラスチックフリーなアイテムを多数取り扱っていらっしゃいます。
子どもたちは気になる商品を店員さんに質問しながら、日常の中でどんなアクションができるのかイメージを膨らませていました。

自分たちが棲む横浜市内のプラスチックごみの状況と、その改善アイディアを学んだ1日。
夏休みの間に子どもたちはそれぞれの過程でプラスチックごみを減らすアクションに取り組みます。
少人数ならではのじっくりとしたフィールドスタディーができました。
文責:鴨川光(ELMSセンター)
