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自然学校のスキル紹介〜焚火に火をつけるの巻 2023.11.15

前号では、焚火の準備に関わるスキルをご紹介しました。本号では、焚火に火をつけるスキルについてご紹介をします。


1、3つの燃料を準備する

1つ目が、マッチ、ライター、チャッカマン、などの火を実際につける道具。2つ目は、火口(ほくち)といって、火をつけた後に最初につける道具。例えば、新聞紙、着火剤、麻ひもを解したもの。こういったものも燃料として、準備をしましょう。そして3つ目が薪です。薪束を買うのか、現地で枝を拾って調達するのか、を決めます。薪の場合は、1回の焚火で1束くらい(薪の種類にもよる)は必要になるので、実際にどのくらい使うかを先に計算をしてから準備をしましょう。いずれにせよ、乾いている薪を太さ毎に準備します。私が子ども達に教えるときは、細い枝は「こっぱ」、中くらいの枝は「ちゅっぱ」、それ以外に薪を一掴みずつ準備しようね。と話しています。

2、薪を組む

火口を焚火台の中央にセットします。薪の組み方は色々なやり方がありますが、ティピー型、井桁型、などお好きなものをチャレンジしてみましょう。いずれにせよ、火口が一番中央にあり、そこからこっぱ、ちゅっぱ、薪の順番で薪を組んでいきます。この時に薪がぎゅうぎゅうに詰まっていると、酸素の周りが悪くなり火がつきにくいので、適度に空間をあけておくことが重要です。
火がつくには、「熱源」「燃料」「酸素」の3つの要素が必要となります。
「熱源」は火が火口についた後に、火力が上がっていくための動線を作ること。
「燃料」はその動線に、ちゃんと薪をおくこと。
「酸素」は火が空気を吸って大きくなっていくように、空間を確保すること。
これらの要素がちゃんとできていれば、どんなところでも火をつけることができます。


3、火をつける

マッチなどに火をつけて、最初は火口に火をうつします。順々に着火をしていき、火力が強くなっていきます。火がよく燃えているところに、こっぱを足していくと、そこを中心に燃焼を始めます。手を止めずに、燃料を足していき火力を強くしていくことが大切です。火力が強くなったら、あとは薪に火を移していくことを考えます。こっぱやちゅっぱは、火が着くと燃え尽きて焚火の中心が空洞になっていってしまいます。そのことを考慮して、太い薪を追加していきます。長く焚火を楽しむには、太い薪に火をうつしていくことです。こうすることで、長時間焚火を楽しむことができます。

4、おまけ 「焚火をするときの楽しみ方」

最後におまけとして。焚火はつけて満足するよりも、つけてどうするのか?が大切です。私のおすすめは、これからの季節ならば夜のキャンプで、満天の星空の元での焚火は格別です。焚火で暖をとりながら、家族や仲間と話す時間は至福の時間となります。焼きマシュマロなどは定番ですが、「ゆっくりとした時間」を過ごすこと。この時間が、とても幸せで、忘れられない豊かな時間になるはずです。

2号に渡って「焚火」のスキルについてご紹介しました。まずは、焚火をやってみてください。何よりも大切なことは、「やってみる」ということです。次号は、ロープワークについて2号に渡ってご紹介します。

小澤 潤平(アポロ)

株式会社ノッツ プロデューサー。走林社中共同代表。HAMON編集長。「プレミアムな自然体験」を提供するTokyo Adventure Clubを2022年より発足。2024年3月に子ども向けにヒマラヤトレッキングツアーを計画中。

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