
このコラムでは「野外フェスティバルは環境教育の新たなフィールド」というタイトルで、野外フェスティバルにおける環境教育の可能性について書いています。
今回から2回に分けて5月に開催した野外フェスティバル「清里オーガニックキャンプ2023」のレポートをさせてください。
体験と交流のキャンプインフェスティバル
5月20日、21日に山梨県北杜市にある新栄清里キャンプ場で「清里オーガニックキャンプ2023」を開催しました。標高1200mの広々とした芝地のキャンプ場にワークショップブースが並び、アーティストによるステージ、ゲストによるトークプログラムが行われました。
実体験が乏しくなったコロナ禍において、大切にしたことは体験をすることと交流すること。30年以上も環境教育の実践者が交流を重ね、ネットワークが築かれてきた場所である清里でリアルに出会い、経験する機会を目指しました。
清里で切り出した白樺の木からカトラリーをつくる「モーラナイフ クラフト工房」や、生きているニワトリをしめてお肉にする解体ワークショップ「狩猟の世界を体験しよう」、裸足感覚のサンダルづくりと裸足で森を歩く「地球と繋がるサンダル・ワラーチづくり/はだしで森あるき」、身近に暮らしているヒルとふれあう「『ヤマビル』と出会う場所✕昆虫食」など、30を超えるワークショップは今年のコンセプト「地球と遊ぶ、くらしと遊ぶ」を体現していました。
これからの社会に必要な“本質的な”体験を
フェスティバルのタイトルにもなっている「オーガニック」と聞くと、野菜や食品をイメージする人が多いかもしれませんが、この言葉には「本質的な」という意味もあるそうです。便利な生活に埋もれて、見えにくくなっているものやことを丁寧にひも解くことで、これから必要なことが見えてくると信じています。
このフェスティバルはそんな“本質的”な体験が集う場所でありたいと願っています。