7月に入り、清里も本格的な夏の暑さを迎えています。とはいえ、そこは高原。森に入ると空気がヒンヤリと涼しく、ほっと一息つくことができます。
さて、今回も森が持っている「人を元気にする要素」について、ご紹介していきます。
前回は「1)太陽の光」「2)f分の1ゆらぎ」について、今回は「3)ハイパーソニックサウンド」「4)フィトンチッド」「5)変化に富んだ地形」「 6)マイナスイオン」「7)転地療法」「8)五感の快適性」について、具体的にご紹介します。
3)ハイパーソニックサウンド
人間の耳には聴こえない音や高い周波数成分を含む音のことを言います。虫の音や鳥の声、せせらぎなど、多様な動植物が生息している豊かな森や自然の中で多数確認されています。脳機能を高め、ハイパーソニック・エフェクトと呼ばれるポジティブな効果(健康増進、やすらぎ、好感形成)を心身にもたらすことが科学的に証明されています。
アフリカをはじめとした様々な熱帯雨林の音に最も多く含まれていますが、琵琶や尺八、ガムラン、チェンバロ、民族合唱などの音楽にも含まれていることが分かっています。
4)フィトンチッド
森の香りの中心となっている成分です。植物が虫などの外敵から身を守るために出していますが、人間にとってはリラックスしたりリフレッシュしたりする効果があります。その他、抗菌・防虫効果、消臭・脱臭効果もあります。
5)変化に富んだ地形
森の中には、でこぼこ道や坂道、ぬかるみや落ち葉が多い場所など変化に富んだ様々な地形があります。このような地形を歩くためには集中力が必要となり、そこから解放された時にも心地よい達成感を味わうことができます。
6)マイナスイオン
森の中や水辺、高山に多く含まれており、副交感神経に作用し心身をリラックスさせてくれます。他にも、新陳代謝の活性化や疲労回復、血圧降下や快眠など様々な効果があると言われています。
7)転地療法
森に入ると、初めて見る素晴らしい風景に感動したり、可愛らしい木の実探しに夢中になったり、新しい発見や喜びの機会に恵まれます。日常生活と違う場所で刺激を受けることにより、心身をリフレッシュできます。
8)五感の快適性
木漏れ日や鳥のさえずり、植物の香り、頬をなでる風や落ち葉の感触、山菜や木の実など、森の中には五感に働きかける心地よい刺激が沢山あります。五感を意識して働かせることは、心身をリフレッシュし、またリラックスさせます。
以上となります。
私はいつも、この要素について考えるとき、やはり人間は本来、自然の中で生きやすいように進化してきた生き物の一種なのだなということを感じます。勿論今の暮らしは便利で快適ですが、ときに自然に、森に触れること、その中に身を置くことは、人が健やかでいるために必要不可欠なことなのかもしれません。皆さま、この夏はぜひ森へお出かけください!「涼」と一緒に、自分の中の「人が生まれながらに持っているパワー」を感じてみてくださいね。