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五島から海洋ゴミと向き合う(3)

漂着ごみを拾うことで分かること

漂着ごみって世界的にとても深刻な問題ですよね。でも漂着ごみから分かる興味深いことも多くあります。

漂着ごみは、排出された場所から海流や風の影響を受けて各地の海岸に流れ着きます。皆さんは海岸でゴミに注目したことがありますか?よくよく見てみると、日本の海岸に流れ着く漂着物は、地域によって割合は異なりますが、様々な国から流れ着いています。

私は高校生の時から、各地の海岸にどのような国で生産されたものが漂着しているかを調べています。この調査は、この海洋ゴミ問題を他国のせいにしたいのではなく、「これはどこの国からだろう?」という純粋な好奇心から始まりました。

流れ着いたゴミの原産国を調べる方法はいくつかあります。今回は最も分かりやすいペットボトルでご説明します。まず、一番明確に原産国が判別できる場所はラベルにあるバーコードです。バーコードの頭3数字で生産国を判別することができ、例えば、「490」であれば日本で生産された製品ということになります。

しかしながら、漂着する過程でラベルが無い場合があります。その際はフタの言語や、容器自体に埋め込まれているリサイクルマークを見て判別を行います。

このようにしてこれまで5年間、五島と福岡を中心に調査を行っていましたが、興味深いことがいくつか浮かび上がりました。まず、五島では対馬海流と季節風等の地理的な条件により海外のゴミが8割ほどを占めています。

古代から五島は遣唐使や倭寇、元寇といった国際的な交流が豊かな場所であり、これらの交流は海流や風によって支えられてきました。昔の人々の交流のルートを通じて、現代では漂着ごみが流れてきているとも捉えることが出来ます。そう考えると悲しいかもしれないですが、私はいまだに繋がりが可視化されていることに非常にロマンを感じており、様々な交流のきっかけにしていきたいと考えています。

福岡(博多湾)は、博多湾に流入する河川のゴミが大半を占めるため国内のゴミが9割を占めていますが、博多湾の中でも遣唐使の停泊地とされていた場所では、海外の国々の割合が多くあります。

ただゴミとして捉えると、悲しい気持ちになりますが、他の国や地域、あるいは時代を越えたつながりを考えると意外と拾ってみるのが楽しくなるかもしれません。皆さんも、海岸に行った際は調査してみてくださいね、楽しいですよ!

宮崎 幸汰(みやざき こうた)

長崎県五島市出身。九州大学共創学部3年。一般社団法人maiPLA代表理事。高校2年時に「第13回アサヒ若武者育成塾」に参加し、海洋ゴミ問題に関心を持ち島内で活動を始める。2022年3月に一般社団法人maiPLAを設立し、五島・福岡を中心拠点として、定期的な清掃活動をはじめ、環境イベントの企画・運営や子供向け自然体験活動などを行っている。

maiPLAホームページ ▶https://5100maipla.studio.site/