海洋ゴミ問題に取り組むきっかけとなった大きな2つの出来事
私は、長崎県の五島市で生まれ18年間暮らしました。現在は福岡の大学に通い、高校生の頃に設立した学生団体を法人化し、一般社団法人maiPLAの代表として、海洋ゴミ問題の解決を目指して活動を行っています。
幼少の頃から海が大好きで、毎日のように海岸で砂遊びをしたり、祖父母の船で釣りに行ったりと、常に海が身近にある環境で育ちました。海洋ごみに興味を持ったのは高校2年生の7月。それから、大学3年生の現在に至るまで、海洋ゴミ問題の活動を約5年間続けています。
活動を始めようと思った大きなきっかけは2つあります。1つ目は高校2年生の父とのドライブ。ふと海岸に目をやると、そこには大量のゴミが漂着していました。台風接近後という理由もありましたが、さらに五島のあらゆる海岸を調査してみると、ほとんどの地点に多くのゴミが漂着していることが分かりました。
五島は海を大きな観光資源として認知がなされている島であり、地元の人達も自慢に思っている海です。だからこそ、このような光景を目の当たりにした時はとてもショックでした。五島は対馬海流や季節風などの地理的条件から大陸から多くのゴミが流れ着く島です。中世の頃は遣唐使の寄港地として、多くの人々が風や海流を頼りに大陸と五島を行き来していました。
それが、現代では人ではなく、ゴミの流れに。また、少子高齢化の進む五島では、ボランティア団体の減少、高齢化によって年配の方が定期的な清掃ボランティアを行っている状況です。このような状況を見て、「五島の海を誰もが素直に自慢できる海にする」ことを目指して活動を始めました。
そして2つ目は、高校2年の9月に、アサヒビールと日本環境教育フォーラムの主催事業である「若武者育成塾」に参加したことです。若武者育成塾とは、食・環境について興味のある全国の高校生が地元地域の課題について考え、実践する半年間のプログラムです。
このプログラムに参加したことが、私のその後の活動に大きな影響を与えてくれました。このプログラムで学んだこと、感じたことについては次回の連載で記していきたいと思います。