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風車の国のミュージアムめぐり(3)絵本の世界に入りこもう 2022.06.15

オランダの首都といえばアムステルダムですが、実際の首都機能はそこから車で1時間ほど南のデン・ハーグにあります。国王一家の住むハウステンボス宮殿や国会議事堂の他、各国大使館、国際司法裁判所など国際機関も集まる街。今回ご紹介する「Kinderboekenmuseum(こども図書ミュージアム)」はこの街の図書館に併設されています。

ここの一番の特徴は、絵本の世界に入り込んで遊べるところ。はらぺこあおむしやぞうのエルマーといった有名作品のほか、ミッフィー、かえるくん、しろくまラルスなど、日本でも出版されているオランダ人作家の展示も多くあります。

絵本のシーンやキャラクターたちが並ぶ室内では、子どもたちは文字や数字に親しむゲームを楽しんでいます。例えば数字を数えながらはらぺこあおむしと同じように果物を通り、さなぎを経て美しいちょうちょになってみたり。

  

はらぺこあおむしの展示

しろくまラルスに会いに行くために、流氷に書かれた文字の韻を踏みながら海を渡ったり。これら幼児サイズに作られた展示と、そこで遊ぶ子どもたち、声に出して文字を探す様子に、大人たちもつい笑みがこぼれます。

   

しろくまラルスやぞうのエルマーの展示

小中学生向けの展示では、ミッションに沿ってクイズに答えていく中で、様々な名作やシーンに触れるものも。私が訪問した時は子ども読書月間のテーマ「こわいお話し」の企画展を開催していました。

また奥には何やら豪華なお部屋が。児童書大使館です。作家やイラストレーターなどが児童書大使に任命され、子どもの読書に関する活動を行っているのですが、その大使館があるのです。部屋には子どもたちに勧めたい本がずらっと並ぶほか、来館者自身も大使となって、お気に入りの本をお勧めする動画を撮影できます。希望者は児童書大使のウェブサイトに掲載してもらうこともできるんですよ。

デン・ハーグには、フェルメール作「真珠の耳飾りの少女」が所蔵されているマウリッツハウス美術館や、だまし絵で有名なエッシャー美術館もあります。ゆっくりミュージアム散策にもお勧めしたい街のひとつです。

福成 海央(ふくなり みお)

科学コミュニケーター。環境教育と科学技術、2つのミュージアム勤務を経て2016年よりオランダ在住。日本語でのサイエンスワークショップ開催や、オランダに関する情報発信、執筆等を行っている。小6、小3、小1の3児の母。

SciNethホームページ ▶https://www.scineth.com/

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