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風車の国のミュージアムめぐり(1)ミュージアムカードを手に、いざ出発! 2022.04.15

先月までオランダの小学校風景を紹介してきましたが、今月からはテーマを一新して「風車の国のミュージアムめぐり」をお届けします。知名度が低くガイドブックも薄っぺらなオランダですが、そこでは紹介しきれない素敵な施設がたくさんあるんですよ!

国内490カ所への年間パスポート

まずオランダのミュージアム巡りに欠かせないのが「ミュージアムカード」。国内490か所以上の施設で使える共通年間パスポートで、大人料金は64.9ユーロ(約8700円)です。アムステルダム市の有名施設、アムステルダム国立美術館・ゴッホ美術館・アンネフランクの家・レンブラントの家の4館の入場料を合わせると68ユーロなので、何度もミュージアムに行く人にとっては夢のようなカードです。

またオランダは九州ほどの面積の小さい国というのもあり、自治体を超えて全国で使えるという仕組みがとても便利。旅行先でも気軽にふらっとミュージアムを訪れることができます。

アムステルダム国立美術館にある、レンブラント作「夜警」。門外不出のため、ここでしか見られない作品です。

ミュージアム=美術館だけではない

またミュージアムといっても美術館に限りません。加盟施設には博物館や科学館、お城や教会や風車など歴史的な建造物、植物園もあり、この1枚で多彩な体験を楽しめるのです。

というわけで、初回から変化球ですが(笑)今回ご紹介するのは、本物の蒸気機関車に乗る”Museumstoomtram Hoorn-Medemblik”。ここは例外的にミュージアムカード利用でも2ユーロの料金がかかりますが、2つの町をつなぐ80分の乗車中、135年前から残る駅舎や橋などの鉄道施設を見学できます。

途中駅で、車掌から郵便物仕分け車両の説明を聞く男の子

踏切がないところでは、スピードを落とした機関車から車掌が飛び降り、道路まで走って行って車を止めるなんて場面も。途中休憩の下車駅では、駅長室や貨物倉庫を見学したり、石炭室や郵便物用車両など機関車の説明を聞けます。(ちなみにオランダ国内の多くの施設では英語での説明もお願いできます。)

またこの季節は車窓から一面のチューリップ畑も!タイムスリップしたかのような線路の旅と鉄道の歴史、どちらも楽しめるまさに「体験型・動くミュージアム」です。

車窓に眺めるチューリップ畑

福成 海央(ふくなり みお)

科学コミュニケーター。環境教育と科学技術、2つのミュージアム勤務を経て2016年よりオランダ在住。日本語でのサイエンスワークショップ開催や、オランダに関する情報発信、執筆等を行っている。小6、小3、小1の3児の母。

SciNethホームページ ▶http://scineth.com/ws/

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