我が家の子どもは平日はオランダ現地校、土曜日は日本語補習授業校に通っています。なので両方の教材があるのですが、おもしろいことに気づきました。「算数の文章題」に地域色がよく現れているのです。
日本の場合、色紙やおまんじゅうを分けたり、小銭を持っておせんべいやチョコレートを買う場面が出てきます。こちらでは特に低学年が子どもだけで買い物に行くことはないため、とても楽しそうに見えます。また順番を答えたり、合計を計算する問題で、整列したクラスメイト、下駄箱の靴、ロッカーに並ぶランドセルが出てくるのも日本ならではの日常風景です。
一方オランダの文章題には、牛や羊、干し草がよく出てきます。さすが酪農が盛んな国ですね。またDIYが得意なので、壁紙や床板も頻繁に登場します。
<問題>
(1)納屋に736個の干し草の束があります。ここに182個追加されました。全部でいくつありますか?
(2)ある牛からは1日に25リットルの牛乳をしぼることができます。1年間に平均して315日牛乳をしぼります。この牛が5年間搾乳された場合、年間平均搾乳量はいくらですか?
(3)ミランは床板を張り替えます。彼は各列に3枚の床板を使い、全部で12列に敷きます。全部で何枚の床板が必要ですか?
またオランダ人は合理的、現実的と言われますが、その一端も文章題から垣間見えました。具体的かつ、身近な生活で実際に利用する算数の事例や、少しでも得をするために数字を使う問題も多いのです。
<例>
・フライトスケジュールと時差から、飛行時間、到着時の現地時間を調べる。
・電車、宿泊費、食費一覧と、大人料金・子供料金から、一家の旅行予算を計算する。
・250gと500gと700gの肉のパッケージと値札の絵があり、どれが一番1gあたりの値段が安いか計算する。
・自分が売り手になった時に、セールで何%まで割引をしても利益が出るか考える。
なかなか現実的だなぁと思うと同時に、算数を「賢く生きていくために必要なスキル」として、自然と身に着けることができる良さを感じました。いずれにしても、算数の文章題というのは、子どもにとって想像しやすい場面や物が使われていると思います。他のいろんな国と見比べてみるのも面白そうですね!