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オランダ小学校リアルレポート!(4)小学校での野外活動 2022.01.15

授業内での野外活動

さて前回まで校舎内のことをご紹介してきましたが、今回は野外活動について。(これも学校によって異なるので、あくまで一例です)

私の住むエリアには市が管理する農場や広い森があり、そこで授業をすることが時々あります。いっても1時間程滞在する簡単なもの。送迎はボランティアの保護者が行い、自分の車に子どもたちを乗せ、野外活動中はグループに付き添います。学校の様子を見れるとあって意外と人気のボランティアです。

農場ではスタッフが用意する教育プログラムを受けたり、動物たちと触れ合って過ごします。森では先生が用意したワークシートをもとに、落ち葉を使ったアートをしたり、三角測量で木の高さを測ったりと、学年に沿ったワークを行っていました。

また多くの学校では最終学年に3泊ほどのキャンプがあります。テントを建てたり、自炊をしたりということはありませんでしたが、自転車での長距離オリエンテーリングがあったのがさすが自転車大国オランダ!学校が借りたトラックは自転車を運ぶためで、子どもたちはこれまた保護者送迎でキャンプ場まで行ったのでした。

キャンプ場に運び込まれた、子どもたちの自転車

本格的な学校農園

もうひとつオランダ流と思う野外活動が学校農園です。10歳前後の年齢で実施する学校が多く、自治体が管理する農園へ毎週行き、野菜や花を育てます。もともと第一次世界大戦後の食糧難から始まった教育ですが、現在では植物の成長や生態系について学ぶ理科、収穫物で調理実習をする家庭科、また食糧問題について考える社会など、幅広い学びの場として機能しています。

我が子の学校では、4月に一人ずつ区画を与えられ、自作の名札を立てて耕すところから始まりました。農園スタッフやボランティア保護者たち指導の元、季節に合わせて種を植え世話をしていきます。最終的には10種類ほどの植物を育て、夏には毎週様々な収穫物を持ち帰ってきました。普段私が買わないヨーロッパの野菜やハーブも多く、どうやって食べるか子どもに教えてもらいながら、私自身も楽しい時間でした。

4月の学校農園初日と、7月の様子

福成 海央(ふくなり みお)

科学コミュニケーター。環境教育関連施設・科学館勤務を経て、2016年よりオランダ在住。現地で日本語でのサイエンスワークショップを開催する他、オランダに関する情報発信、執筆等を行っている。小5、小2、年長の3児の母。

SciNethホームページ ▶http://scineth.com/ws/

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