沖縄の石垣島で「エコツアーふくみみ」という観光と環境教育の個人商店を夫婦二人の家族経営として2001年から続けています。ですから2021年の今年は開業20周年だったのです。
まさか、そのめでたい20周年がコロナ禍の真っただ中だなんて、全く想像もできませんでした。大学で地質学を学んだ私としては、大地震や火山噴火や大津波とかの覚悟はありましたが、まさかパンデミックとは…。人類は本当に多難な歴史を乗り越えてここまで来たのだなと感慨深いです。
さてそんなコロナ禍の影響を、私たちエコツアーふくみみも全身で受け止めて乗り越えるための努力をし、ウィズコロナの時代に向けて自分たちの仕事を変化させてきました。今回から6回に渡る連載でそれらのお話をしたいと思っています。
私の仕事は大きく分類すると、「エコツアーふくみみ」として個人のお客様をガイドするネイチャーガイド業、「石垣島アウトフィッターユニオン」という同業である自然体験ガイドさんたちの組合組織の代表、そして「わくわくサンゴ石垣島」という地元の小中学生を対象としたサンゴ礁保全のための環境学習団体の3つになります。そして、それぞれがコロナ禍にあって大きな影響を受けたのでした。
「エコツアーふくみみ」の石垣島自然体験ツアーは、小さなお子さんのいるご家族が気兼ねなく自然体験を楽しんでもらえることを目的にスタートしました。私たち自身もこの20年、3人の男の子の子育てをしながら、より深い自然体験をお子さんにさせたいと思っているご家族を応援してきました。サンゴ礁でのスノーケリング、マングローブの散策やカヌー体験、滝を目指すリバートレッキング、干潟でカニを追いかけ泥んこになる生き物観察…。
そしてコロナ禍の始まり。沖縄県は県独自の緊急事態宣言を発令。観光客はもちろん来ません。観光事業者は先の見えない不安の中、それぞれに生き延びる手段を考えなければならなくなったのです。さて、どうしましょう。実は私たちの窮状を救ったのはなんと“ぬいぐるみ”だったのです!(次回へ続く)