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目指せゼロウェイスト&プラスチックフリーの快適生活(最終回)ごみを出さない究極の選択とは? 2021.09.15

ごみを出さない工夫についていろいろ紹介してきましたが、いちばん本質的なポイントは何でしょう?

それは、「モノを減らすこと」です。

モノはすべて壊れます。どんなに質のよいものでも、耐久性にすぐれたものでも、その事実は変わりません。100年も経てば、今あるものの99%はきっとごみになっています。

そういう視点で見れば、モノはすべてごみになる。ごみを本当に減らしたいと思ったら、究極的には「モノを持たない」ことがいちばん理にかなっています。とは言え、文明的な生活を送るためにモノは必要なので、ポイントとなるのは、「安易にモノを持たないこと」。つまり、「できるだけ減らすこと」です。

これは必ずしも窮屈な話ではありません。なぜなら、世の中の断捨離ブーム!ミニマリストブーム!あれは「まったく」ごみを減らそうと思ってのブームではありませんよね。みんな、「ごみのため」ではなく、「自分のため」にモノを減らそうと躍起になっているのです。つまり、「モノが少ない」ことは快適なのです。

自分にとって心地いい「減らしどころ」を見つけることができれば、これはもう最強。ぜひ目指してみてください。

我が家のバイブルにもなっているコンマリこと近藤麻里恵さんの本

もうひとつ大切な視点は、「自分のごみを減らす」ではなく、「この世界から新しいごみをつくり出さない」。つまり、新品の製品ではなく、既に世界に存在している中古品を使うようにすれば、「新しいごみ」をひとつ減らせます。「自分のごみ」は減らないかもしれませんが、地球レベルで考えれば、これは間違いなくよいことです。

リサイクルショップなどの中古品、ぜひ積極的に利用しましょう。あとは、「お古」などのゆずり合い。こうした「中古品のゆずり合い」には思った以上の可能性があります。拙訳『ギフトエコノミー―買わない暮らしのつくり方』(青土社)には、買い物への依存を減らしてゆずり合いのネットワークを生かす豊かなライフスタイルが提案されています。ぜひ参考に、「豊かにごみを減らす」ことについてイメージをふくらませていただきたいと思います。

たのしきごみ減らしにみなさんが踏み出してくだされば、これ以上うれしいことはありません。

服部 雄一郎(はっとり ゆういちろう)

町役場のごみ担当職員を経て、アメリカ留学。廃棄物NGOで働いた後、高知に移住。『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)、『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)などエコ本を翻訳する傍ら、SNS等での発信も行う。

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