ごみを出さない工夫についていろいろ紹介してきましたが、いちばん本質的なポイントは何でしょう?
それは、「モノを減らすこと」です。
モノはすべて壊れます。どんなに質のよいものでも、耐久性にすぐれたものでも、その事実は変わりません。100年も経てば、今あるものの99%はきっとごみになっています。
そういう視点で見れば、モノはすべてごみになる。ごみを本当に減らしたいと思ったら、究極的には「モノを持たない」ことがいちばん理にかなっています。とは言え、文明的な生活を送るためにモノは必要なので、ポイントとなるのは、「安易にモノを持たないこと」。つまり、「できるだけ減らすこと」です。
これは必ずしも窮屈な話ではありません。なぜなら、世の中の断捨離ブーム!ミニマリストブーム!あれは「まったく」ごみを減らそうと思ってのブームではありませんよね。みんな、「ごみのため」ではなく、「自分のため」にモノを減らそうと躍起になっているのです。つまり、「モノが少ない」ことは快適なのです。
自分にとって心地いい「減らしどころ」を見つけることができれば、これはもう最強。ぜひ目指してみてください。
もうひとつ大切な視点は、「自分のごみを減らす」ではなく、「この世界から新しいごみをつくり出さない」。つまり、新品の製品ではなく、既に世界に存在している中古品を使うようにすれば、「新しいごみ」をひとつ減らせます。「自分のごみ」は減らないかもしれませんが、地球レベルで考えれば、これは間違いなくよいことです。
リサイクルショップなどの中古品、ぜひ積極的に利用しましょう。あとは、「お古」などのゆずり合い。こうした「中古品のゆずり合い」には思った以上の可能性があります。拙訳『ギフトエコノミー―買わない暮らしのつくり方』(青土社)には、買い物への依存を減らしてゆずり合いのネットワークを生かす豊かなライフスタイルが提案されています。ぜひ参考に、「豊かにごみを減らす」ことについてイメージをふくらませていただきたいと思います。
たのしきごみ減らしにみなさんが踏み出してくだされば、これ以上うれしいことはありません。