東京オリンピックも無事閉幕し、多くのメダルを獲得できましたね。スポンサー企業である有名ドリンクメーカーの緑茶が、オリンピック公式ドリンクに認定されています。ペットボトル茶でありながら、広告イメージでは「急須で淹れた緑茶」をアピールしていますが、原料も抽出方法も風味も全くの別物です。
ペットボトル飲料には、保存料(酸化防止剤)としてビタミンCが添加されていますが、天然のものではなくL-アスコルビン酸という人工の化学物質です。風味や安全性は、急須で淹れるお茶よりずっと劣り栄養素の量も少ないです。アスリートも健康のために緑茶を選ぶ人が多く、天然のアルカリ飲料である緑茶は、体を酸化から守る飲料です。体が酸化することが老化や病気の原因になるので、抗酸化力の高いカテキンやビタミンCが豊富で相乗的に健康効果が得られます。
味覚的にはカテキン類は渋みの成分、タンニンは苦味成分ですが、血圧や血糖値上昇を防ぐ作用があります。また、血中コレステロールを溜まり難くし動脈硬化予防になります。香り成分のフラボノイドには抗ガン作用があり、旨味成分のテアニンにも血圧降下やカフェインと合わせて中枢神経系を刺激・調整する作用が認められています。運動前30分にお茶を飲むと脂肪燃焼効果が高まるのでダイエットにもお勧めです。
ビタミンCは熱に弱いですが、緑茶の場合タンニンと結合して守られる為、熱いお湯で淹れても大丈夫です。また、カフェインもポリフェノール類と結合している為、人体への作用は穏やかで胃への負担は少ないのです。これらの健康成分は熱いお湯で淹れた方が多く浸出するので、食後の熱いお茶は、口臭・虫歯・食中毒予防と合わせて健康に良いと考えられます。中級煎茶や番茶には健康に良い渋みのカテキンやタンニンが多く含まれ、甘み旨味のテアニンやアミノ酸や香りのフラボノイド、ビタミンCは上級煎茶に多く含まれます。熱湯でも甘みを感じる70℃でも冷茶でも美味しく健康に良い緑茶をお楽しみください。