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生ごみが世界を変える?!生ごみ資源化100%への道(4) 2021.07.14

 半径2km圏内で栄養を循環させる「ローカルフードサイクリング(以下LFC)」という仕組みは2017年から福岡市東区香椎照葉(以下、照葉地区)で始まりました。
この仕組みは小さなコミュニティで誰でも参加できる食料サイクルとして、これまで都市型のコンポストに取り組む方々の多くは庭や畑などの還元農地がなく、継続が難しいという弱点を克服するきっかけとなっています。

 照葉地区では住民が自宅でコンポストに生ごみを入れ、できあがった堆肥を月に数回ある堆肥の回収日に拠点へ持っていきます。
拠点にはコンポストクルー(堆肥を回収するスタッフ)がいるので、日々のコンポスト相談や堆肥の状態からアドバイスを受けることができ、地域の方同士が会話をする大切な時間にもなります。
回収された堆肥は地域のコミュニティガーデンで熟成し、コミュニティガーデン内の畑に還元。できた野菜はコンポスト会員へのプレゼントやマルシェで販売され、自宅へ持ち帰った野菜から生ごみが出て、堆肥になり、また栄養として戻ってくるのです。これが「照葉LFC」の仕組みです。

 堆肥回収から畑の作業、野菜の収穫・販売までじゅんなま研のスタッフと照葉住民のボランティアさんが一緒に行っているのですが、これは地域住民の手で栄養を循環させることをLFC事業の目的の一つとしているため、積極的に地域住民の方の参加を促しているからなのです。
コミュニティガーデンでは一般の方へ畑の貸し出しや、イベントの開催、子ども向けの畑講座なども行っており、地域の中で遊び・学べる場所になっています。地域に開けた場所なので、お近くの方はお散歩やリフレッシュなどでぜひ遊びに来てくださいね~!

 照葉地区の仕組みが基本となったLFCは、さまざまな場所でそれぞれの特色に合わせた形で展開しています。次回は高齢化率25%を超える「美和台地区」、そして九州最大の繁華街「天神地区」でのLFC活動を紹介します。

タイラ 光(たいら ひかり)

1996年生まれ。コンポスト歴約20年。NPO法人循環生活研究所に所属し、LFC事業・環境教育・自立支援の企画運営を担当。循環生活研究所とローカルフードサイクリング(株)のコンポストアドバイザー。

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