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目指せ、ゼロウェイスト&プラスチックフリーの快適生活(2)まずはどこから? 2021.05.12

「ごみとプラスチックを減らす」というと、「まずは買い物のパッケージをどうにかしなくちゃ!」と思う方が多いように思います。パッケージごみの多さを考えれば、ごく自然な感覚ですよね。

でも、個人的な経験から言えば、今の日本で「いきなり」パッケージごみを減らそうとするのはハードルが高いです。欧米と違って、量り売りのスーパーもほとんどなく、99%の食品がパッケージ入りでしか買えません。そんな中、「買えるものがない!!」→「ムリ…(呆然)」となってしまう例をたくさん目撃してきました。

日々の生活から100個のごみが出るとすれば、その中には「減らしやすいもの」もあれば「減らしにくいもの」もあります。買い物のパッケージごみは、たぶん、多くの方々にとって「減らしにくいもの」です。同じ「減らす」なら、まずは減らしやすいところから攻めるのが得策ではないでしょうか?

たとえば、毎日使うカミソリをごみの出ないタイプに変えるのは簡単です。自分で「次はこれを買おう!」と決心すればよいだけ。台所の食器洗いのスポンジをへちまに変えれば、もう2度とスポンジのプラスチックごみは出なくなります。

この要領で、まずは自分自身が完全な裁量を持つ「持ち物のゼロウェイスト&プラスチックフリー化」を進めると、暮らしの中にたしかな変化が生まれてくるはず。そんな心地よい手ごたえを感じながら、徐々にレベルアップを目指していただきたいなと思います。

もちろん、買い物のパッケージごみも最終的にはできる限り減らしていきたいところ。完全にゼロにするのはむずかしくても、できることはいろいろあります。たとえば、まずは過剰包装の商品を買わないようにする。パンはパン屋さんで、肉は肉屋さんで買うようにすれば、マイ容器持参でパッケージフリーの買い物ができるチャンスが広がります。お客様ご意見箱などに「より簡易包装の商品希望」と投書してみるのもありですね。

「できないことを嘆く」のではなく、「まずはできることからする」。ぜひ、最初の一歩を踏み出してみてください。

 

服部 雄一郎(はっとり ゆういちろう)

町役場のごみ担当職員を経て、アメリカ留学。廃棄物NGOで働いた後、高知に移住。『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)、『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)などエコ本を翻訳する傍ら、SNS等での発信も行う。

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