会員ページ Member Only

新茶の魅力 2021.05.14

5月は新茶のシーズンです。一番おいしい緑茶が採れる時期ですね。新鮮な緑色の水色(すいしょく:湯飲みやカップに注がれたお茶の色)と青葉の香り、ほんのり渋みが甘さとコクを引き立てます。新茶には美容と健康によい抗酸化成分のビタミンCが豊富で、他の栄養素も豊富です。

なぜ新茶はおいしくて栄養豊富なのか。茶樹は年に4回ほど萌芽します。越冬期に蓄えた栄養分が最初の一番茶にはたっぷり吸収されて育つからです。立春から数えて八十八夜が最盛期。春の優しい日差しを浴びてゆっくりと伸びた柔らかな新芽だけを摘んでお茶にしたのが新茶です。だから味も栄養分も濃いのです。地域や品種によって新茶の採れる時期は半月以上ずれます。鹿児島は早く、段々と北上し静岡県や埼玉県の狭山辺りが八十八夜にピークを迎えます。

同じ新茶でも、頂芽から一芯三葉の柔らかな新芽を手摘みしたものが最上級品。収穫量も少なく、甘みや旨味がギュッと凝縮されていて、飲み終わった後にも口中に甘みの余韻が残るような新茶です。段々と日差しが強くなると共に芽伸びが早まり、ハサミ摘みが始まります。上級煎茶の原料になる茶葉です。更に日照が長く強くなるとバリカンという機械で大量に収穫し値段もこなれてきます。味は大味でサッパリして渋みが増して来ます。だから、値段の高い新茶の方が甘みコクが強く、栄養素豊富で、安くなるにつれて味も薄めで渋めになるのです。

6月上旬から下旬に二番茶が採れます。茶葉も大きく硬く味は薄く渋めです。中・下級品にブレンドされます。9月に三番茶が芽を出し、最後は秋冬番茶が採れます。二番茶以降は安価でペットボトル茶の原料や加工用が多いです。優良生産者は、番茶は採らずに茶樹を休めて良質な一番茶を採る事に集中するほど価格差も大きく市場も違うのです。ところが近年は、ペットボトル茶の隆盛に伴い上質な茶葉が販売不振で茶農家を弱体化させています。“消費は投資”なのです。皆さん、良いものにお金を使って優良生産者と本物の日本文化を守りましょう。

 

金久保俊也(かなくぼ としや)

農林水産省茶業試験場を経て嘉永年間創業の株式会社下総屋茶舗(しもうさやちゃほ)五代目就任。煎茶道静風流、茶道裏千家流、肥満予防健康管理士、ダイエットアドバイザーの資格を持つ。「食と健康」を重視し【5歳若返りダイエットコーチング】を提供する現役トライアスリート。

JEEFメールマガジン「身近メール」

JEEFに関するお知らせやイベント情報、
JEEF会員などからの環境教育に関する情報を
お届けします。

オフィシャルSNSアカウント

JEEFではFacebook、Twitterでも
情報発信を行っています。
ぜひフォローをお願い致します!