みなさん、こんにちは。4人家族の1年間のごみがわずか1ℓというアメリカの家族の本『ゼロ・ウェイスト・ホーム』を翻訳した服部雄一郎と申します。
高知県の山のふもとで暮らしつつ、自分自身もごみの少ない快適な生活を目指して発信しています。
29歳までごみに何の関心もなかった僕ですが、町役場への転職をきっかけにごみ問題に目覚めました。たまたまごみの担当部署に配属され、生ごみ処理や分別のおもしろさに出合い、ごみが減る生活の快適さを知ってしまったのです。
燃えるごみは週2回出すのが当然だったのに、生ごみ処理と分別を徹底してみたら、ごみがほとんどなくなってしまい、ごみ出しが1カ月に1度も必要なくなりました。ごみ箱はいつもスカスカ。生ごみは出るそばからコンポストに入れてしまうので、台所の清潔感も格段にアップ。「ごみが減るって、こんなに気分がいいのか!」という驚きが僕の原点です。
それ以降、役所の職員としてごみ減量の啓発や施策立案にたのしく取り組み、ついには子連れでアメリカの公共政策大学院に留学し、カリフォルニア州政府の廃棄物部局や廃棄物NGOでインターンやコンサルタントもした自分ですが、仕事柄、「ごみは役所が何とかすべきもの」という発想が抜けませんでした。個人には、生ごみ処理と分別以外に、「すべきこと」も「できること」もないように思い込んでいました。
そんな僕に「いやいや、個人でもこんなにできることがあるんだよ。しかもたのしいよ」と、ごみ減量の底知れぬ可能性を教えてくれたのが、『ゼロ・ウェイスト・ホーム』の原書です。
「自分ひとりでもごみゼロを目指せる」―これは目からウロコの衝撃でした。しかも、作者ベア・ジョンソンの暮らしはセレブと見紛うばかりの美しさ。世界中をトークイベントで駆け巡る彼女に触発され、欧米にはゼロウェイストを目指す有名ブログがいくつも存在することも知りました(中にはビジネス並みに稼いでいそうなツワモノも!)。
たのしく、心地よく、クリエイティブで、地球にも調和するゼロウェイストの世界。日本でも、ひとりでも多くの方にチャレンジしていただきたいなと思います。