事務局日誌

「国立公園での環境教育活動」〜尾瀬国立公園の保全とサステナブルツーリズム(1)〜

 尾瀬国立公園で行われた研修に参加してきました。当日はあいにくの天気でしたが、紅葉も観察でき、充実した研修となりました。
 主催である環境省のほか、講師として尾瀬の保全業務を請け負う東京パワーテクノロジー(株)の社員さん、そして学校教員、社会人、学生などさまざまな立場の人々が参加し、尾瀬の自然を体感しつつ意見を出し合い、親睦を深めることができました。
 当日は朝8時に上毛高原駅に集合し、尾瀬の入り口である群馬県片品村・戸倉の尾瀬ネイチャーセンターへバスで向かいます。ネイチャーセンターを見学したのち、バスを乗り換えてトレッキングのスタート地点である鳩待峠へ移動します。約1600mの標高がある鳩待峠では濃い霧が出ており、10月でもかなり寒く感じました。

 

 

 

 

 

 
 鳩待峠からは、尾瀬ヶ原に向けて歩きます。雪の重みで幹が曲がっているブナの木など動植物のお話はもちろん、木道やベンチが設置された時の経緯やエピソードなど、尾瀬の保全に向けた興味深いお話を聞くことができました。
 鳩待峠から2時間ほど歩き、尾瀬ヶ原の入り口である山ノ鼻に到着しました。紅葉の時期であり、緊急事態宣言も解除されていることからか、周辺は多くの人で賑わっていました。

 

 

 

 

 

 

 山ノ鼻で昼食を食べた後は、尾瀬ヶ原を散策しました。時間の関係で散策は一部のみとなりましたが、その中でも色々なお話を聞くことができました。例えば、尾瀬の木道はそれぞれの土地の所有者である東京電力や各都道府県によって整備されており、それぞれで木材の産地などが違うそうです。また、木道に使う木材の多くはヘリで輸送されているため、整備には多大なコストがかかるとのことです。他にも、かつて木道がなかった時代に登山客によって踏み荒らされて裸地化してしまった湿原や、最近増えているシカによる食害についてのお話を聞くことができました。

 

 

 

 

 

 

 最後に、1日の研修を受けて、尾瀬の環境教育に関しての参加者による意見交換会が行われました。学校教員をはじめ、さまざまな視点を持つ参加者から得られた視点は非常に魅力的で、今後に生かしたいと思えるようなものばかりでした。尾瀬は日本の自然保護運動の先駆けとも言われる場所で、4つの県に跨っており東京電力をはじめとする私有地も多いことから、多数のステークホルダーを巻き込んだその保全の歴史には学べることがたくさんあります。尾瀬というとどうしてもミズバショウなどの美しい植物に目が行きがちですが、その裏には、この美しい風景と多様性を守ろうと努力してきた多くの人々がいます。尾瀬で学ぶ際には、そのような保全の歴史も学びながら、我々の身近な環境の保全にどう活かせるのか、我々には何ができるのかを考えたいものです。
                         文責:小林海瑠(JEEFラーニング生)