事務局日誌 Blog

身近な自然とのふれあいから学ぼう! 2022.11.29

令和4年度教職員等環境教育・学習推進リーダー養成研修・プログラムデザインコース
テーマ:『富士箱根伊豆国立公園での環境教育活動』
     〜身近な自然とのふれあいから学ぼう〜

 11月27日(日)晴天の中、富士山に見守られた静岡県富士宮市にあります「環境省・田貫湖ふれあい自然塾」に教員・NPO・大学生など様々なご職業の方が集まり、表題の研修会が開催されました。
 NPO法人ホールアース研究所の山崎宏さん、今永正文さんのご指導のもと、「互いに、体験して、楽しく」をキーワードに、環境教育やESDによる人づくりについて取り組む意義やノウハウを、特に「体験活動」を取り入れた環境教育について企画や実施のポイントをしっかり学んできました!

 まずはアイスブレイク。ストレッチ、4択ゲーム、6マスアンケートを行いました。初めは遠慮がちにしていた参加者も共通の話題を見つけるなどして打ち解けて行きます。一連のアイスブレイクが終わると体験の振り返りです。今回の研修では体験を学びにするために、「体験をやってみて、各自見つめ直して、それを仲間と共有して、講師が一般化する」というサイクルを全ての体験において行いました。アイスブレイクの意義と重要性について講義していただき、参加者の中には理解していたつもりが分かっていなかった事があった、など新たな気づきを得られたようでした。

 午前中の2時間をアイスブレイクに使い「場づくりのコツ、ここにいていい安心感」を参加者に与えることが、この後の体験を豊かなものにするということを学びました。

 1時間のお昼休み、希望者は地元ホールアース農場で採れた有機野菜を使った「ホールアース弁当」を頂きました。野菜そのものの美味しさを味わえるお弁当を頂き、休憩時間も充実したものになりました。

 午後は野外に出て身近な自然を使った体験プログラムです。五感を使って自然を感じる事を大切にします。木や葉の匂いを嗅ぐ。土を踏みしめ、そのやわらかさを感じる。楓の種をよく観察する。木や葉がいい匂い、嫌なにおいを出しているのはなぜか。踏みしめた土の下にいるモグラについて学ぶ。楓の種の形は昆虫の羽の形と似ていると気づく。少し自然と触れ合っただけで疑問、学び、気づきが生まれます。
 次にコナラの大木の前に集まり、コナラがかつて薪に使われていたこと、今は使われなくなり伐採されず木が大きくなりすぎたことにより害虫の標的にされやすく、ナラ枯れの被害が多発しているというお話を聞きました。人間の生活の変化が木に思いもよらない形で影響を与えていたことを学びました。

 その後は14人の参加者を2グループに分けて、コナラの大木をそれぞれが違う距離から観察して1行の詩を詠みました。グループ全員の詩を合わせて一つの詩とするプログラムです。
 午前中のアイスブレイクで場づくりがうまくできていたので普段では自分の詩を見せるなど照れくさくてできないような事も問題なくこなせます。他の参加者と意見を交わしながら一つの詩を完成させ、朗読会です。朗読を担当する参加者のひらめきで急遽BGMを流すことに、講師の山崎さんも初めてのことだと驚いていらっしゃいました。いい雰囲気でプログラムが行われた結果だと思います。

 野外プログラムを終えて研修室に帰る途中、カメラのネガフィルムホルダーに落ち葉を挟んで作品にしよう、各自のセンスで、ということを提案されました。いざやってみると参加者の皆さん一生懸命に落ち葉を拾っています。学生の参加者の方が「20歳になってこんなに必死に落ち葉を探すとは思ってなかった」と言ったのが印象的でした。自然の中では大人も子供に戻ってしまう瞬間がありますね。

 研修室に戻った後は体験を学びにする作業です。自然に触れて気づいた事、講師の山崎さん、今永さんがプログラム中に大切にしていた事について各自考え、グループで共有し、講師がまとめを行いました。

 その後、目白大学石田好広教授による「学校とつながるためのワンポイントアドバイス ~「プログラムデザイン研修」促進のための方策~」の講義をしていただきました。SDGs達成のカギを握るESD、体験の重要性と留意点、学校と外部リソースがつながるための視点、学校の優良事例をお話しいただきました。自然体験を多くの子供達にして欲しいけれども学校のカリキュラムとして行うのはたくさんの課題があることを知り、しかし、その課題をクリアして実際に学習に取り入れられている学校の具体例も聞くことができました。

 今回の研修全体のふりかえりを山崎さんからしていただき、研修全日程が終了しました。
 コロナ禍での開催となりましたが、感染対策を十分に講じ、多くの方々に参加していただくことができました。ありがとうございました。

文責:中野真里子

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