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【レポート】安西英明さん受賞記念講演&観察会@東京港野鳥公園 2025.08.18

みなさん、こんにちは!CSOラーニング生の内山結希です。

7月19日(土)、東京港野鳥公園にて「安西英明さん受賞記念講演&観察会」が開催されたため、当日の様子などを共有します。

安西英明さんのご紹介

安西英明さんは、JEEFの理事、かつ公益財団法人日本野鳥の会参与なども務められている方です。

今回は、安西さんが令和7年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受賞されたことを記念して、安西さんによる講演・観察会を開催しました。

当日は非常に暑い中、野鳥に詳しい方や、JEEFの他の講座にもご参加いただいている方などにもご参加いただきました。皆様、ご参加いただきありがとうございました!

観察会スタート!

まずは東淡水池にいる野鳥を観察しました。東淡水池で観察することができたのは、アオサギとカルガモです。

次に、東観察広場では、今回の観察会の目的でもあったセイタカシギに出会うことができました。セイタカシギは、日本で最も足が長いとされる野鳥であり、足の色がピンクであるところが特徴的であると教えていただきました。

参加者は、双眼鏡やカメラを持参されており、それらを使いながら観察を楽しまれていました!

 

 

このような野外での観察を楽しんだのち、ネイチャーセンターへと場所を移しました。ネイチャーセンターでは、各自、引き続き野鳥観察を楽しまれていました。

また、安西さんが、ネイチャーセンターの双眼鏡を通してカワウを観察できるようにしてくださり、「カワウは鼻の穴がないため、自分の体内の熱を逃がすために、喉をゴロゴロさせている」という貴重な説明もしてくださいました。

移動途中に出会う様々な生物

移動途中には、野鳥以外の生物との出会いもありました。安西さんは、参加者による「あれは何ですか?」という声を受けながら、ゴマダラチョウやチョウトンボといった様々な昆虫についても紹介してくださいました。

また、時には、そのまま通り過ぎてしまうような植物との出会いをサポートしてくださり、その植物に関して詳しく話してくださいました。

植物を紹介する方法で一番印象的だったのは、葉のにおいを嗅ぐという方法です。安西さんは、「鳥は視覚の動物だけど、人間は視覚と嗅覚の動物だから、嗅覚を通して観察しましょう」とおっしゃいました。

生物の観察は、視覚を通した観察だと勝手に思い込んでいた私にとっては、安西さんの説明が非常に心に残りました。また、このように観察の仕方を少し変えることで、視覚を通した観察を続けていた参加者の注目を再度集め、新しい角度から生物の観察を楽しむことができたのではないかと思います。

 

講演スタート!

観察会の後は、安西さんによる講演が開催されました。

講演では、観察会の参加者に加えて、多くの方が対面やオンラインで参加されました。

まず、JEEF理事長・阿部治による挨拶、そして安西さんが今回受賞された令和7年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰に関する説明が行われました。

中西悟堂さんについてのお話

安西さんによるお話の一つに、日本野鳥の会創設者である中西悟堂さんについてのお話がありました。

安西さんは、中西さんについて以下のように紹介されていました。

中西さんは、「ネイチャー」と「自然(じねん)」の違いについて説かれました。そして、西欧文明における科学に一直線な文明のあり方への危険性について警笛を鳴らし続けていらっしゃいました。

また、上記の内容の中で、「日本的な要素は、学校教育において、西洋に後れをとっていると位置づけられていたけれど、実はその反対なのです」というお話もありました。

自身の修士論文において「自然観・世界観の変革」の必要性に着目している私にとって、上記のお話は非常に興味深かったです! このお話から、日本やアジアの自然観から環境問題を問い直すという新たな関心が生まれました。

観察会のまとめ

安西さんは、野外での観察会をまとめる時間も作ってくださいました。

この時間において印象的だったのが、インタープリテーションの仕方です。

例えば、安西さんは、ハシブトガラスとハシボソガラスの違いについて、それぞれの特徴を捉えた帽子をかぶって解説をされました。

 

このような解説の仕方は、参加者にインパクトを与え、かつそれぞれの違いをわかりやすく理解できるという魅力があるのではないでしょうか。当日の参加者は、ほとんどが大人の方ではありましたが、参加者の雰囲気も一気に変化したのを体感するという貴重な経験をすることができました。他にも、景品付きのクイズをしたり、参加者に「○○は、いましたか?」という問いかけをしたりするといった様々な工夫がなされていたことで、参加者の雰囲気も終始明るかったと思います。

安西さんは、本レポートで共有させていただいたお話以外にも、非常に多様なトピックについてお話しいただきました。今回の講演と観察会に参加された方は、安西さんのお話を伺ったことをきっかけに、新たな関心を抱かれたのではないかと思います。

私自身も、安西さんのお話をきっかけに生まれた新たな関心を深め、環境教育に携わる者として成長できるように、精進したいと思います!

 

文責:内山結希(CSOラーニング生)

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