
みなさん、こんにちは!
昨年度のCSOラーニング生で、今はJEEFでアルバイトをしています、小池悠羽です!
6月29日(日)に開催された、「教職員等環境教育・学習推進リーダー養成研修・プログラム・デザイン・コース」<https://www.jeef.or.jp/activities/esd_teacher/>についてレポートします。
今回は、昨年2024年に新たに「体験の機会の場」に認定された、(公財)大阪YMCAが運営する「YMCA阿南国際海洋センター」<https://osakaymca.or.jp/outdoor/anan/>で実施されたプログラムに参加しました。
YMCA阿南国際海洋センターとは
当日の参加者同士の自己紹介では、「最近頑張っていること」を発表し、それぞれのバックグラウンドや、最近の悩みなども打ち明ける方もいて、参加者同士、和やかに打ち解け合うことができました。
その後、センター長の橋本さん(シロクマ隊長)から、YMCA阿南国際海洋センターについて詳しくお話をいただきました。YMCA阿南国際海洋センターは、日本で初めての海洋キャンプ場であり、マリンスポーツや宿泊などのほか、環境教育、ジュニアリーダーやSDGs実践者の育成といった、「体験」と「学び」を得ることができる多種多様なプログラムを提供している場となります。
また、YMCA阿南国際海洋センターの800m沖には、「野々島」という無人島があります。かつての有人島であったものの、無人島となり、一度はリゾート開発計画が持ち出されました。そんな中、OB・OGを中心に募金活動が展開され、1999年、「21世紀青少年の島」としてYMCAに献島されました。今でも、その豊かな自然と多様な海洋生物が存在する大自然のフィールドとして、YMCA阿南国際海洋センターのシンボルとなっています。(行ってみたかった!)
ESDにおいて意識すべきこと
次に、棚橋先生から、「学校とつながるためのワンポイントアドバイス」を教えていただきました。特に「気候変動」について子どもたちは、学習を受けた経験が少ないとそもそもわからない割合が高かったり、危機感や心配を認識していても「何をしたらいいかがわからない」というような課題があること教わりました。そのような子どもたちに対してESDは、「体験」によって本物と出会い、「探求」によって気付き・思考する場・時間を提供できます。そして、「わからない、が、わかったへ」「わかった、から実践へ」と、子どもたちの主体性と協働性の成長へとつながります。これらの点を意識した体験型学習の大切さを、学ぶことができました。
いざ、海へ!
午後は今回の研修のメインイベント、シーカヤックです。と、その前に、「バディーチェック」!!二人一組バディーを組んで、安全確認をします。シロクマ隊長の「バディーチェック!」の掛け声に、参加者のみんなで「オー!」、「1,2,3,4!」と答えます。全員いますね。こうした安全体制ゆえに、YMCA阿南国際海洋センターでは、今までで死亡事故が起きていません。海の楽しさとともにある怖さと、そのための安全対策を学ぶことの大切さを学びました。
いざ、海に入ります!最初はぷかぷか水に浮いてみます。今年の6月は、6月とは思えないくらいとても暑かったですよね。ですがみなさん、「海の温度は一か月遅れ」ということ、知っていましたか?いざ海に入ってみると、たしかに表面は暖かいのですが、中はかなり冷たかったです。冷房ではない、自然の涼しさを全身で感じることができました。
海に慣れたら、次はシーカヤックです。慣れている方も、初めての方もいましたが、全員でパドルの使い方のコツを教えあいながら、どんどん海の方へ進んでいきました。

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今回の目的地は「廃船の浜」。かつて廃船が流れ着いていたからだとか・・。ただ、昨今は廃船ではなく「海ごみ」「海洋プラスチック」が流れ着きます。YMCA阿南国際海洋センターがある橘浦は、太平洋からやや入り組んでいるのですが、それでもごみがたくさんありました。
そんな浜で、私たちは自由時間を楽しみました。クラゲやウニなどの海洋生物を見つけたり、周りの木々を観察したり、私は「海と一体化」していました(笑)(ぷかぷか浮いていたとうことです!)。
後のふりかえりで気づきましたが、体験活動において、こうした「自由時間」はとても大切な時間です。プログラムをきちんと組むことは大切ですが、一方で「余白」のないスケジュールは、子どもたちの「気づき」「発見」「探求」を十分に引き出すことができません。自由な時間こそが探究であり、体験活動・ESDの神髄だと学びました。
豊かな自然を、これからも享受するために
浜での探究を終え、無事YMCA阿南国際海洋センターに帰ってきた後は、今日の学びと体験を全員でふりかえりました。「余白」の大切さや、「自然の偉大さを子どもたちにも体験してもらいたい」といった意見、体験で得た学びを実践することで得られる子どもたちの「自己効力感」も意識したプログラムである必要があるといった意見が共有できました。
気候変動、汚染(海洋プラスチック、化学物質等)、生物多様性の「トリプル・クライシス」が叫ばれる近時の地球環境において、このような雄大で、豊かで、多くの学びと発見を得ることができる自然を、子どもたち含めてこれからの将来の世代に受け継いでいかなければならないと思いました。
「一人の百歩より、百人の一歩」。ここでの体験を参加者自身の、そして私自身の行動に反映させ、そしてその輪が広がっていき、個々人が環境に配慮した実践をすることで、その思いに少しでも近づくことができると、私は考えています。
小池悠羽(JEEFアルバイト)