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JEEFインドネシア事業紹介 2023.07.07

こんにちは。CSOラーニング生の山口寛太です。本日は、JEEFインドネシア事務所・所長の矢田さんからお伺いしたインドネシア事業の紹介を行います。

インドネシアの活動は主に、人と自然の共生に根ざした持続可能な社会作りを目指しています。そして、地域住民の方々と政府との橋渡しの役割、日本のNGO活動を海外に広げるための先駆けとしての役割を担っています。

地域住民の方々の生活と自然保全の共栄のために、矢田さんが手掛けている主な事業は次の4つです。

「今ある自然を守る仕事」

1つ目は、国立公園エコツーリズム推進プロジェクトです。
インドネシアでは、手付かずの自然を保全するために国立公園を制定しています。これにより、以前から国立公園内で生活している現地住民の方との対立が生じてしまいました。そこで、ツアーガイドやホームステイなど、エコツーリズムの開発と現地の方のトレーニングを行うことで、政府と現地の方々との橋渡しの役割を担っています。

現地の伝統文化を教えるプログラムに加え、日本国内の複数の大学と環境学習プログラムとして連携することで日本とインドネシアとのつながりを築こうとしています。
地域の活性化に繋がる事業でヤシ砂糖作りはすごく面白そうです!

「環境破壊からの回復をはかる仕事」

2つ目は、ジャカルタ湾岸マングローブ再生事業です。
1970年代からのエビブームの影響で、マングローブの伐採とエビ養殖場の増加が進行しました。しかし、時の経過と共に、「土壌の養分不足」、「エビの生育不十分」といった問題が生じ、養殖場が放棄されてしまいました。これにより、生態系が荒れてしまい、漁場として劣悪な環境になってしまいました。これを再生するために、日本企業からの寄付や助成金を受けてマングローブの再生に取り組みました。植林後の維持も地域住民主体で行っています。
今では、漁業資源が再生し、天然のエビ、カニなどが少しずつ戻ってきました!

「自然資源の持続的利用を促進する仕事」

3つ目は、天然蜂蜜再生支援プロジェクトです。
伝統的に、インドネシアでは蜂蜜を食べています。しかし、蜂の巣を取りつくしてしまい非持続的、不衛生な環境下での作業と低品質な商品、低価格での販売といった問題を抱えていました。

そこで、蜂の巣の1/3のみ採取することで蜜のみの採取を行い、衛生面に配慮した蜂蜜の加工法と販売制度を整備したことで持続可能な商品生産を行うことを可能にしました。さらに、蜂の巣がある木にデジタルデータを取れるようにすることで、採取の状況をデータで知ることができるようになりました。
環境事業のDX化推進の形を知ることができました!
理工学部で学んでいる私にとって、テクノロジーの実用例を知ることは非常に良い刺激です。この技術により、採取日、蜂の巣の状況など多くの情報をスマホで管理できることは、業務の効率化にいかに有用か実感することができました。専門外の潜在的なニーズを知る機会は貴重なので大切に学んでいきたいです!

「若い環境人材を育てる仕事」

4つ目は、NGO Learning Internship Program in Indonesiaです。
これは、SOMPO環境財団が主導で行っており、CSOラーニング制度を海外へ拡大するための先駆け的事業です。現在5年目で毎年約20名の学生が10のNGO団体に派遣され、環境問題の解決に向けた活動を体験・学習しています。
インドネシアのラーニング生との交流が楽しみです!

 

<お話しを伺い感じたこと>

今回のお話から感じたことは2つあります。

1つ目は、日本とインドネシアでの環境問題への取り組みは大きく異なると感じました。日本国内では、昨今の温暖化や水害など、規模の大きな問題に焦点を当てています。一方、インドネシアでは、人々は自然と密接に共生しており、環境の変化が生活に直接影響します。そのため、身近な環境問題に焦点を当てています。例えば、マングローブ再生の件が良い例です。
日本では表面的に見えにくい課題に取り組んでいますが、インドネシアでは現地の人々の身近な問題に取り組み、成果が見える化されていると感じました。
私たち日本でも、地域の人々が主体的に環境問題に携われる取り組みを模索し、環境問題の成果を実感することで、一人ひとりの環境問題の関心が強まるのではないでしょうか。

2つ目は、国外の環境教育の現場を知ることができ、私自身も国外で環境教育に携わってみたいと強く思いました。マングローブ林の再生に伴う、生態系の変化やエコツーリズム事業でインドネシアの伝統的文化を実際に体験してみたいです。

▼JEEFインドネシア事業について興味をお持ちの方は、是非下記をご参照ください。
インドネシアにおける環境教育・環境保全活動

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