事務局日誌

研修「サンデンフォレストを活用したプログラムづくり」に参加しました

令和4年度教職員等環境教育・学習推進リーダー養成研修・プログラムデザインコース
『サンデンフォレストを活用したプログラムづくり』に参加しました。

 12月14日(水)、群馬県前橋市内の赤城山南麓の森の中にある「サンデン株式会社」に教員・NPO・大学生など様々なご職業の方が集まり、研修会を開催しました。

 サンデン株式会社の柴崎薫さん、福田博一さん、東京学芸大学 名誉教授小澤紀美子先生指導のもと、自然と人間の共生をテーマに、体験活動を取り入れた環境教育について学んできました!

 まずはアイスブレイクとして、①所属(呼んでほしい名前)、②フィールド、③環境教育との関わり、④本日の意気込みについて、それぞれ4枚の紙に書いて順番に発表しました。教員から行政、NPO、観光関連など様々なバックボーンを持った方たちが参加されていて、「環境教育」一つとっても多様な関わり方があることを実感しました。なかでも、私は唯一の学生だったのではじめは緊張していたのですが、参加者の方は普段から環境教育の現場で実践されているので、子どもたちから呼ばれているニックネームを紹介するなど、聞き手の興味を引き出す部分がとても上手で、伝える時の話し方一つで印象が大きく変わることに驚きました。

 午前中の前半は、サンデン株式会社の歴史や取り組んでいる事業について、パワーポイントを使った説明を柴崎さんから受けました。特に、ゴルフ場の開発地だった放棄地を買い取り、もともとの自然をできるだけ残す形で自動販売機の工場を設立したという歴史背景に感銘を受けました。実は、私が通っていた大学も多摩丘陵を切り開いて建設する際に、地表面の植生と共に表土を保存して工事後に戻すことで、自然改変を最小限に抑える手法を取り入れていたという話を聞いたことがあったので、非常に親近感を抱きました。

 午前中の後半は、64haという広大な敷地が広がるサンデンフォレストの森の中を散策しました。ちょうど落葉シーズンだったので、落ち葉の絨毯が床一面に広がっていて、思わずダイブしたくなりました!短い時間でしたが、落ち葉の裏に隠れているオオムラサキの幼虫や、動物(もしかしてムササビかも!?)が食べてエビフライの形になった松ぼっくりを探したり…みなさん童心に返って自然を楽しんでいる姿を見ることができ、子どもから大人まで惹きつける自然の魅力を改めて実感しました。

 その後は、サンデン株式会社のメイン産業である自動販売機製造工場の見学をさせていただきました。ここでは、1日150台の自動販売機を製造していて、一台の組み立てには約80分要するという話を伺いました。私は正直、『そんなに自動販売機を製造してどうするのだろうか?あまりエコではない気が…』と思ってしまったのですが、日本の自動販売機の台数は上限に達しているが、自動販売機は消耗品なので、再利用できる部品は徹底してリサイクルし次の製造にまわしていること、大量消費時代にあった大型ラインは撤去され、電力削減のために様々な取り組みや工夫を凝らしているというお話を聞き、それぞれの分野でできる環境活動を行う大切さを学びました。

 1時間のお昼休み後は、小澤先生から「学校とつながるためのワンポイントアドバイス」をいただきました。普段教育とはかけ離れた分野を専攻している私にとっては難しい内容でしたが、今の教育は私が学生時代に受けていたものとは異なる内容であることに気づきました。特に「総合的な学習/探究の時間」は私が学生のときより深化した内容になっている気がします。総合の時間にはスケールが異なる様々な課題を段階的に考えるよう設計されていて、グローバルスケールでは環境問題、学校や地域特有の課題、そして小学校〜高校までの発達段階に合った課題について学ぶことができるように設計されていました。私の記憶では、高度成長期に発生した公害などの問題や,中国などで問題となっているPM2.5に関する内容は学んだと思うのですが、近年発生している環境問題についてはそこまで詳しく学校で扱った記憶がないので、時代と共に学習内容が少しずつ変化していることを身をもって感じました。

 

 午後のメインのグループワークでは、小・中・高の3つのグループに分かれてサンデンを題材にに体験活動のプログラムをデザインしました。まず、プログラムを設計する上で重要だと思うことを各自で考え共有しました。私はこれまでにインターンシップで行なってきたイベント企画の経験をもとに、『プログラムの趣旨やコンセプト』『学生のレベルに合った内容』など、プログラム本体のことを考えました。しかし、他の参加者の方々の意見を聞くと、イベント本体だけでなく、対象(学生)の属性やトイレのタイミング、教え方や指導法など、より子ども視点で考えている方が多く、学びが多かったです。

 その後、グループワークに進んでいきました。私が参加したグループでは、プログラムの内容を具体化していくのか、体験の内容はきっちり決めずに子どもたちが自主的に学ぶ場にするのか…2つのテーマで議論が進みました。最終的には、中学2年生を対象に、午前中は工場見学を中心に自然との共生を学び、午後はサンデンフォレストでカイドウォークや好きなものみっけなど…フリータイムを設け、最後に落ち葉で焼いた焼き芋を食べながら各自が体験した内容を共有するプログラムをデザインしました。イベントを企画する際に、内容を決め込みすぎてしまうことが多かったので、参加者の反応に応じて臨機応変に対応できるプログラムを作れるようになりたいと思いました。

 他2つのグループは、工場をメインとした「自然と共存する近代の工場を見学しよう」、サンデンフォレストで行う「冬を探そう」と異なるテーマのプログラムができました。工場メインのグループでは、サンデン株式会社が大切にしている、ものづくりにおける環境にやさしい工夫や取り組みを理解するだけでなく、自分達の暮らしに取り入れられることを目標にすることで,環境問題で大切な「自分事として考える」ことを促す構成が良いと思いました。サンデンフォレストでの活動をメインにしたグループでは、はじめに自分が思う冬を見つけて共有した後、1時間30分たっぷり使って五感で季節を感じる時間が設けられていました。また、このプログラムを年間を通じて行い、日本特有の四季を感じられる構成にする点がオリジナリティがあって良いと思いました。継続的にサンデン株式会社に訪問することで、サンデンフォレストへの愛着も生まれ、近年の東京の子どもたちが抱くことが少なくなった、故郷(ふるさと)意識が芽生える良い機会になるのではないかと思いました。

 今回の研修全体のふりかえりを柴崎さんからしていただき、研修が終了しました。所属が異なる多様な方々のご意見を伺い、考え方の多様性を学ぶことができる非常に貴重な機会になりました。ありがとうございました。

 

文責:尾鷲凌子(CSOラーニング生)