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【レポート】次世代ネイチャースクールin 南房総① 2025.11.06

こんにちは!JAL財団のインターンシップ生のアシラです。

「次世代ネイチャースクールin 南房総」が9月13日(土)~15日(月・祝)に開催されました。

小学4~6年生の子ども24名が参加し、森・里・川・海で一緒に活動をしながら、同じ地球で暮らしている生きものや自然と、わたしたち人間とのつながりについて学びました。

<1日目>大房岬自然公園で森と海の繋がりを体感!

初日は「大房岬自然公園」の森と海の自然を体感するフィールドワークをしました。

「大房岬自然公園」のネイチャーツアー

はじめに展望塔にのぼり、自分たちがいる場所の自然を俯瞰して見ました。

景色を眺めていると、一羽のタカが大空を飛んでいる姿を見ることができました。
大房岬自然の家のじんさんは「タカの飛ぶ方向を観察することで、方角を知ることができる」と教えてくれました。

他にも、出発地点である東京の方向や、太陽の位置から東西南北を把握したり、大房岬の周囲を囲む海の景色を楽しみました。子どもたちがじんさんのお話を興味津々で聞く姿が印象的でした。

さらに、公園では、地面に落ちている沢山のドングリを発見しました。なんとこのドングリは、昔マテバシイの木を使うために植えられたものが繁殖したものなのだとか!人間の関わりとともに、この公園の自然があるということに気づくきっかけにもなりますね。

また、ドングリを好きな生きものについてもお話がありました。クマやシカなどの野生動物は餌を求めて集まってくるのだそうです。

「このドングリを植えたら芽が出るよ」と聞いて、子どもたちは熱心にドングリを拾い集め、家族へのお土産にすると楽しそうに話していました。

その後はグループごとに分かれて、公園内の探検へ!

「見どころマップ」を見ながらどこに行きたいか相談して進みました。道中では、バッタやカマキリ、クワガタ、普段は触れないハチの亡き骸などを発見しました。自分たちが見つけた虫はとにかく捕まえて、自然との触れ合いを積極的に楽しんでいました。

わたしが担当していたグループでは、都会ではなかなか見ない大きなミミズを発見し、「みみたろう」と名付けて、動き方を観察しました。しばらく見ていると雨が降り始めたため、ミミズが動きやすい場所へ移動させてあげました。安全なところまで動いていくのをみんなでじっと見守りました。

磯の生きもの観察

午後は海へ!海に行く途中では、小川でカニをみつけたり、小さな池でカエルをはじめとする多くの両生類を発見したりました。このように森・川・海の繋がりを自分の足でたどっていきました。

この日の海は、風も強く波もありましたが、みんな積極的に挑み、熱心に生きものを見つけていました。
岩のすき間や、石の裏側など、どこに生きものが多く隠れているのかと考えながら、ぐっと顔を近づけて探していきます。

子どもたちが発見した生きものは、カニ、ナマコ、ウニ、フグ、ヤドカリ、貝など…
短い時間でしたが、とっても多くの生きものと出会うことができました!

「ウニを海中で手に乗せると、足(管足)が動くのを感じられるよ」
「このヤドカリは、本来は沖縄にいる種類だったんだよ」
「実は、ナマコは海をきれいにしてくれるお掃除屋さんなんだ」

子どもたちは、一つひとつの紹介を受けながら、手に取ってよく観察しました。説明の合間には子どもたちから数多くの質問が寄せられました。

さらに、砂浜でビーチコーミングをしていた子どもたちは、イカやウミガメの骨を見つけました。こういった骨は時間が経つとかなり匂いがきつくなってくるそうです。施設に持ち帰って時間の経過とともに匂いの変化も観察しました。

漂流物の観察会

こんなに自然にあふれた公園ですが、ビーチコーミングでは人間が捨てたごみや、川から海に流れ着いたごみも多く見つかりました。

夜のプログラムでは、海で発見した生きものやごみをテーマにしたワークショップを行いました。

まず拾ったものを、「自然のもの」と「人間のもの」というおおきく2つに分類しました。そこから自分の気になるものを1つ選んで、「これは何か」「どこから流れてきたのか」「なぜ流れてきたのか」ということを予想して、グループ内で発表し合いました。

わたしが最も興味深かったのは、ウミガメの甲羅の骨片についてです。子どもたちは「どこで他の生物に襲われたのか」という2つの可能性を出し合い、意見を交換しました。

プチ・ナイトハイク

この日の最後には20分程度、夜の森を歩くナイトハイクを実施しました。

生きものたちの邪魔をしないように、最小限の灯りを手に夜の森を歩きながら、昼間とは違う森の雰囲気を体験しました。

静まり返った森の中では、虫の声やフクロウなどの動物の鳴き声が聞こえ、夜ならではの自然の音に耳を澄ましました。さらに、暗闇の中で人間の目が持つ順応力の高さを実感する機会ともなりました。

また、夜空を見上げると東京方面の空が他の地域に比べて明るく見えることに気づきました。

これは、お店やビルからの人工的な光の使用が非常に多いため、昼夜を問わず空を照らしているからなんです。子どもたちは普段自分が使っている電気についても、考える機会となりました。

次回は、2日目と3日目の様子を投稿します。お楽しみに!

文責:アシラ ムティア リスキー(JAL財団のインターンシップ生)

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