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自然学校からパン屋へ、今にいきていること 2020.09.28

地球のこども2018年7.8月号特集「食品ロスから環境を考える」の中で「捨てないパン屋のつくり方」に掲載させて頂いた田村さん。
かつて自然学校のガイドとして活躍されていた経験から、いまに生きていることを伺いました。

田村 陽至(たむら ようじ)

広島県生まれ。「ブーランジェリー・ドリアン」店主。北海道や沖縄で山ガイド・環境教育の修行後、モンゴルに2年間滞在しエコツアーを企画。2004年からパン屋「ドリアン」を経営。2012年に1年間休業してフランスで修行。
著書「捨てないパン屋 手を抜くと、いい仕事ができる→お客さんが喜ぶ→自由も増える」
ブーランジェリー・ドリアン

「食は命の源に届ける
 供え物だから
 季節ごとの
 天の恵みを
 うつわにもって味わう
 おごそかな
 快楽の
 儀式である」

 中原 秀雪の詩。

 

僕も、これを読んでいるあなたも、とても大切な存在。
どんなに化学が進歩しても、
あなたを作ることはできない。
あなたの変わりはどこにもない。
100万円出しても、
100億円出しても、
いくらお金を払っても、
あなたの命は、
かけがえのないたった一つの物。

食べ物とは、
その大切な大切なあなたの体を創ったり動かしたりするための、 体への供え物。

僕のやってるパン屋も、そんな大切な食べ物を扱う仕事です。

―――

 

だから、結論から言うと、
パン屋になるためには、パンの勉強をしている暇はありませんでした。

 

―――

僕は、パン屋になる前、北海道で山の勉強をしたり、沖縄やモンゴルでエコツアーの仕事をしていました。

山に登ったり、川を渡ったり、木に登ったり、
海で魚を捕ったり、馬に乗ったり、知らない土地へ旅をして、色んな人とお酒を飲んで、歌った。今思えば、そんな日々は、いろんなことに心が感動するようになる為の、すばらしい訓練でした。

 

そうやって自分の中にたまった感動は勝手にパンに入る。
最初は学校でパンを習った人の方が、上手にパンを焼いたかもしれません。
でも、上手である必要はなかったのです。

何回も何回もパンを焼くうちに、僕のパンには、
今まで経験した、たくさんの感動を込めることができたのですから。

山で寝たときの心地よい朝の感動。
モンゴルでヒツジを殺した食べたときの複雑な気持ち。

お客さんは上手なパンを買いに来るのではありません。
感動するパンを買いに来るのです。
自分や家族のために、その大切な体のことを考えて、とびっきり感動するようなパンを探しているのですから。

これはきっと、どんな職業でも同じ事だと感じます。

だから、皆さんも、たくさんの経験と感動を得るために、
自然の中へ出かけましょう!!!

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