
「バングラデシュ・ジョショール県の零細ヤシ砂糖生産者と花卉農家の6次産業化を通じた生計向上プロジェクト」の第2年次が2025年4月で終了というこで、終了時の視察を行ってきました。
①協同組合事務所がほぼ完成

協同組合事務所と6次産業化商品の加工場を兼ねた建物の建設がほぼ完了し、あとは内装を整えるだけとなっていました。
ガラス張りの部屋は、組合で生産した商品を展示・販売するショールームです。
お客さんに生産の過程を実際に見ていただきながら、ゆっくりと商品を手に取って選んでいただけるようになっています。
事業地周辺には観光施設がないため、休日には近隣の方々が写真を撮ったり、2階からの景色を眺めたりと、早くも村のランドマークとなっているようです。
地域のみなさんに愛される施設に育ってくれることを願っています。
②第2年次成果共有会議の開催
全組合メンバーが集合し、1年間の成果を共有とメンバー間の交流を図る年に1度の会議が開催されました。


手工芸チームの女性リーダーの発表の中で、
“今まで商品を生産できたとしても、販売場所を自分たちで決めることまでできると思っていなかった。
今は、メンバーで話し合って決めることができるようになった。”
との報告がありました。
バングラデシュの農村部の女性にとって、集落の外に出て社会の中で自己決定していく機会は非常に限られています。そのため、日本人にとっては当たり前のことかもしれませんが、本事業によって女性たちのエンパワメントがなされていることを非常にうれしく感じました。
③組合メンバーへの聞き取り調査
第1年次の終了時と同じ組合メンバーに第2年次を終えての聞き取り調査を行いました。
協同組合を通して商品を生産し、付加価値をつけて販売することで組合メンバーの生活に目に見える変化が起きています。
「息子の奥さんの出産費用に充てることができた」
「バイクを買うことができたので、協同組合事務所までの移動がスムーズになった」
といった喜びの声を聴くことができました。

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組合メンバーに将来の夢を聞いてみたところ、男性メンバーたちがはにかみながら以下のように教えてくれました。
“ガチ(ベンガル語でヤシ砂糖生産者のこと)の文化を残していくために、ヤシの木を植えてガチの仕事について子どもたちに伝えていきたい。”
“(自分は小学校 3 年生までしか教育を受けられなかったので)子どもによい教育を受けさせたい。”
夢を語れるような状況になっていること、これも協同組合の仲間たちができたから。
組合メンバーのみなさんの夢を叶えられるように、第3年次も取り組みを進めていきます。
文責:大塚美香(事業部海外事業グループ)