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インドネシア8月出張記 vol.2 |最終処分場とマラサリ村で考えた、環境と暮らしのつながり 2026.10.14

ごみの向かう先、暮らしの中にある地域の価値

―最終処分場とマラサリ村で考えた、環境と暮らしのつながり―

こんにちは。海外事業グループの小池です。
インドネシア出張記の第2回は、「ごみ」をテーマにした訪問と、マラサリ村での体験をご紹介します。

今回はゼロ・ウェイストに強い関心をお持ちのゲストのお二人と共に、ごみを減らす取り組みや、地域の資源を生かす視点から、インドネシアの環境と暮らしを見つめました。

ごみの山で、人々の暮らしに出会う

マラサリ村へ向かう道中、ボゴール地域のごみが集まるガルガ最終処分場を訪れました。

目の前に広がっていたのは、巨大なごみの山。
その斜面で重機が動き、すぐそばでは多くの人が、ごみの中からプラスチックなどを拾い集めていました。


こうした人々は「ウェイストピッカー」と呼ばれ、回収した資源物を売ることで生計を立てています。処分場の近くには、生活の場となっている簡素な小屋もありました。


現場では、強い臭いと暑さに圧倒されました。
数分立っているだけでもつらく感じる環境で、崩れそうなごみの山や重機のそばで作業を続ける人々。その姿から、仕事の厳しさと危険を感じました。


2026年5月のインドネシア中央統計局(BPS)の発表によると、インドネシアの雇用者の平均月給は約329万ルピア(約3万円)です。一方、現地で聞き取ったところ、ウェイストピッカーが回収したプラスチックの買取価格は1kgあたり約5,000~8,000ルピア(約45~70円)でした。

単純計算すると、平均月給と同程度の収入を得るためには、1か月に約410~660kg、毎日回収した場合でも1日約14~22kgものプラスチックを集める必要があります。この数字からは、大量の資源を回収しても、十分な収入を得ることの難しさがうかがえます。

私たちが手放したごみは、見えなくなっても、どこかへ運ばれていきます。そして、その先には、ごみに触れ、資源を拾い、生活を支えている人がいます。
ごみを減らすことと、資源回収を担う人々が安心して働き、暮らせること。その両方を大切にしながら、「ごみ問題」を人々の暮らしとつながる問題として考える時間となりました。

葉っぱで染める、村の自然を知る

処分場を訪問した後は、マラサリ村のチタラハブ集落へ。
ここでは、植物の葉を使って布に色や模様を写す「エコプリント」を体験しました。

まずは、自分で好きな葉っぱを探すところから。
布を川で洗い、集めた葉を使って染め上げるまで、一連の工程を体験していただきました。


身近にある葉っぱが、布の上に色や形を残していく。
どんな模様になるのか、仕上がりを待つ時間も楽しみの一つです。

体験後、ゲストのお二人からは、植物についての物語が加わると、さらに魅力的な体験になるというアドバイスをいただきました。

それぞれの植物にはどんな特徴があり、なぜこの村に生えているのか。
村の人たちは、暮らしの中でどのように使ってきたのか。

そんな背景を知ることで、使った葉っぱにも、訪れた場所にも愛着が生まれます。完成した布を見せながら、村で聞いた話を誰かに伝えたくなるかもしれません。

体験を通じて、地域の自然や暮らしを知ってもらう。
エコプリントには、そんな可能性があると感じました。

同じ森でも、案内によって見えるものが変わる

翌日は、地域をよく知るガイドと国立公園のジャングルトレッキングへ。
JEEFスタッフにとっては、今回の出張で2回目の森歩きです。


前回は昆虫を探しながら歩きましたが、今回は植物に関心のあるお二人と一緒。
ガイドはその関心を汲み取り、道中で出会う植物の特徴や利用方法、動物が残した痕跡などを丁寧に紹介してくれました。


同じ森を歩いていても、注目するものが変わると、新しい発見があります。
そして、その発見を支えているのが、参加者の様子をよく見て、案内を工夫するガイドの存在でした。

自然について豊富な知識を持ち、それを相手の関心に合わせて伝える。
この力も、マラサリ村のエコツーリズムの大きな魅力です。

森を歩いた後は、マラサリ村の別集落であるシジャグル集落へ移動し、ヤシ砂糖の採集を見学しました。
ヤシから採集したばかりの蜜を味見させていただきました!こんな体験、日本ではなかなかできませんね。


村の暮らしが、若者の仕事につながる

滞在の最後には、珈琲の焙煎や田植え、料理づくりを体験しました。
村の人に教わりながら田んぼに入り、地域の食材で料理をつくる。村の日常に少し参加させてもらうような時間でした。


料理体験は、ゲストの希望を受けて実施されたものです。
参加者の関心に応じて、柔軟に体験を組み立てられることも、この村の魅力だと感じました。

今回は、観光担当者に代わって、村の学生たちが中心となって案内をしてくれました。
安全面の説明や体験の進行も丁寧で、将来はプロのガイドになりたいと話してくれました。

一方で、進学のための資金を得ようと、村を離れて働いた経験を持つ若者がいることも事実です。
村の中で観光の仕事を担い、収入を得られる機会が増えることは、地域で暮らしながら学び、将来の選択肢を広げることにもつながります。


ごみの山で見た暮らしと、村の自然を生かした仕事。
今回の訪問を通じて、環境を守る取り組みを考えるときには、そこで暮らす人々の生活にも目を向けることが大切だと改めて感じました。

村の人たちにとって身近な植物や、日々の営みが、訪れる人にとっては新鮮な学びになります。その価値を地域の人々と一緒に見つけ、伝え、暮らしを支える機会につなげていきたいと思います。

 

ゲストのお二人は終始笑顔でマラサリ村での滞在を積極的に楽しんでくださり、村の人たちからもすっかり親しまれていました!
またぜひマラサリ村に遊びにきてくださいね🥰

次回は、最終回となる第三弾!インドネシア事務所が長年活動を続けている「マングローブ林」またインドネシア最先端の「自然学校」をご紹介します。こうご期待🌱


文責:小池涼子(事業部 海外事業グループ)

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