2026年4月に終了した「バングラデシュ・ジョショール県の零細ヤシ砂糖生産者と花卉農家の6次産業化を通じた生計向上プロジェクト」ですが、フォローアップ事業が現在も進行しています。
今回はフォローアップ事業の進捗確認と新規事業の視察のためバングラデシュへ出張してきましたのでご報告します。
フォローアップ事業@ジョショール県
2026年4月まで実施していた事業地で、協同組合のみなさんから進捗報告を受けました。
プロジェクトは終了しましたが、現地スタッフがサポートを継続しており、組合メンバーは自立して活動を運営していくために日々奮闘しています。

印象的だった組合の若手リーダーの言葉
“ジョショールでこんなに研修を受けさせてもらえるところは他にない。私たちは研修内容を自分たちできちんと活かしていかなければならない。”

農村部のため高齢のメンバーが多い中、新しい知識を実際に行動に移していくことは困難が伴います。
そのような中でも次世代リーダーたちの熱い思いに触れ、この地域の未来は明るいと感じました。
新規事業予定地の視察①~海辺~
「ベンガル人は魚と米でできている(মাছে ভাতে বাঙালি)」という表現があるほど、バングラデシュの方々にとって魚は大切な食文化です。
新規事業では、バングラデシュの食卓に欠かせない漁業(干し魚の生産者)を対象に検討を進めています。

今回は海辺のクアカタという観光地としても有名なエリアを訪問しました。
ここには小規模な干し魚生産業者がいくつもあり、昔ながらの天日干しと手作業で生産しています。
そのため、近年の気候変動の影響もあり天候に左右されやすく、商品の質にもムラが出てしまうという課題があると話してくれました。

▲この日働いていた女性たちは全員が未婚。
夫と死別や離婚したため、ひとりで子どもを育てている方々もいました。
バングラデシュでシングルマザーとして生きるのは経済的・社会的にとても厳しい状況に置かれがちです。

▲雨季はスコールや川の増水で土地が浸水してしまいます。魚干し台も浸水して使えなくなっていました。
新事業予定地の視察②~湿地~
新規事業予定地として検討を進めている湿地も訪問しました。
バングラデシュの国土の約60%を占めるといわれる湿地の中で、バングラデシュ政府によって「生態学的に重要な地域(ECA:Ecologically Critical Area)」に指定されている三日月湖(バオール)があります。

ECAに指定されたことで生態系保全のため政府の禁漁措置が行われていますが、ここで暮らす「マロ」と呼ばれる代々漁師を生業としてきたコミュニティには、漁業以外の生計手段がほとんどありません。
そのため、生態系を保全しつつ、そこで暮らす人々の生活もきちんと守っていく取り組みが喫緊の課題として必要とされていることが聞き取り調査からわかりました。

▲マロのみなさん。特に女性が働く場所が社会の中にないと話してくれました。
まとめ
バングラデシュには、さまざまな事情から厳しい状況に置かれながらも、暮らしをより良く変えていくためのきっかけを求めている方々が、今もたくさんいます。
そうした一人ひとりの思いに寄り添いながら、JEEFがこれまで培ってきた、自然と人が共存しながら暮らしていくための取組みを生かし、地域の皆さんが希望を持って先へ進んでいけるよう、バングラデシュチームではこれからも活動を続けていきたいという想いを新たにした現地出張となりました。


▲2025年1月に植えたジャックフルーツの木。この木のように、時間をかけて少しずつ根を張り、地域の皆さんとともに未来を育んでいけるよう、一歩ずつ!
(文責:海外事業グループ 大塚美香)
