事務局日誌 Blog

【バングラデシュ】11月出張報告 2025.12.12

11月5日~14日まで「バングラデシュ・ジョショール県の零細ヤシ砂糖生産者と花卉農家の6次産業化を通じた生計向上プロジェクト」3年次の視察を行ってきましたので、進捗をご報告します。

①宿泊用コテージが順調に建設中

協同組合事務所のある農村部には宿泊施設がなく、観光で訪れたお客様にゆっくりと滞在していただける場所がありませんでした。
地域の魅力をもっと知ってもらうためにも宿泊施設の存在は重要です。
年明けの完成に向けて建設作業を進めつつ、プレツアーなども企画しています。

②ヤシ砂糖農家の女性向け研修

ヤシ砂糖農家への支援は主に実際に木に登ってヤシ砂糖を収集する男性を中心に行ってきましたが、男性たちの家族である女性への生計向上支援も始まっています。
ヤシの葉を使ったゴザやカゴの作り方について研修を受けた女性たちは、家事の合間にせっせと練習中。

ヤシの葉のゴザは昔から伝統的に家庭で使われていましたが、現在では安いプラスチック製品が市場では出回っているとのこと。
しかし、プラ製品より丈夫で修理も簡単なヤシの葉製の需要は高く、今後品質を高めて販売を目指していきます。

③商品販売店との連携

本プロジェクトも終結が近づいており、プロジェクトの成果を持続可能なものにしていくため、商品販売店の拡大や継続的な売り上げ確保に向けた活動がメインになってきています。

今回の出張では、販売店のいくつかを訪問し、お客さんからの反応や小売販売業事情などについてお伺いしてきました。

ローカルな小売店はスーパーマーケットや市場などのライバルに対して苦労している面もあるとのことで、私たちの商品がそのお店の独自性に繋がり、良い循環が生まれてくれればと考えています。

③広がるヤシ苗の植林

協同組合メンバーの取組みを見て、近隣の方が「自分もヤシ砂糖の苗を植えたい」と申し出て実際に植林してくださっていました。

これまでヤシ砂糖生産は収入に結びつかないためヤシの木が切り倒され、より儲けの高い木材として販売できる木に植え替えられてしまうという現状がありました。
しかし、村の人々が子どもの頃から親しんできたヤシ砂糖はバングラデシュの大切な文化でもあります。
協同組合での生計向上の実績がこうして組合外にも広がっていることは私たちにとってもうれしいことでした。

④ダッカでの出店

首都ダッカで11月6日~8日まで開催された「Dhaka Flow Fest」へ協同組合メンバーが出店し、商品販売と取組みの紹介を行いました。
組合メンバーにとってこのような大きなイベントでお客様に直接魅力をお伝えするのは初めての経験であり、多くの学びがあったようです。

JEEFスタッフ大塚は、バングラデシュの種を使ったアート作品づくりとペットボトルキャップ・キーホルダーづくりの環境教育ワークショップを実施しました。
バングラデシュでは工作ワークショップを体験する機会があまりないとのことで、子どもだけでなく学生さんや大人も集中して体験型の学びに参加してくださいました。


バングラデシュも冬に入り、いよいよ私たちの主力商品である、ヤシ砂糖とお花のシーズン到来です。
ひとりでも多くの方々に私たちの商品を知ってもらい、持続的な生計向上活動に繋がっていくよう、組合メンバーとスタッフが力を合わせて取り組んでいきます。

*本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の支援を受けて実施しています。

文責:大塚美香(事業部 海外事業グループ)

 

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