
みなさん、こんにちは。CSOラーニング生の内山です!
8月9日(土)に次世代ネイチャースクール2025オンライン【うみ編】が開催されました。
「海はワンダーランド!~海流がつなぐ、生きものたちの物語」というテーマのもと、はやま里山ファーム代表、認定NPO法人オーシャンファミリーアドバイザーの海野義明さんを講師に迎えました。
そもそも海は私たちにとってどんな存在なの?
あらゆる生命のふるさとでもある海は、地表の7割を占め、平均水深は富士山が沈んでしまうほどの深さなのだとか!
すべての生きものが生きるために必要不可欠な水の97.5%は海にあります。
また、生きものが過ごしやすい気温を保ち、私たちの日々の食料を生産するためも、海はとても大切な存在なんです。
普段から「海は深くて、広くて、大切なもの」と思ってはいたけれど、想像以上の大きさですよね。私たちが生きるためには必要不可欠な存在なのだと改めて知ることができました!

生きものの”暮らし方”を知ると、もっと楽しくなる!
海の生きものは、それぞれ食物連鎖・共生関係・競争関係といったかかわりを持ちながら暮らしています。
例えば、クマノミとイソギンチャクは、共生関係にあります。
多くの魚は、イソギンチャクに触れることができません。それを利用して、クマノミはイソギンチャクに自分の卵を守ってもらっています。
卵の安全のためには、イソギンチャクにもっと大きくなってほしいクマノミ。卵を守ってもらうおかえしに、自分が食べられないものや食べ残しをイソギンチャクにあげているそうです。
このように、生きもの同士がお互いにとって良い関係をつくっているんです。

海野さんは「生きものの名前や形態といった知識を得るだけでなく、生きものたちがどのように暮らしているかまでわかると、より楽しくなる!」と教えてくれました。
いろいろな海の環境を知ろう!
干潟や岩礁地帯など、海といっても様々な環境があります。
あまりきれいではない見た目で、ぬるぬるしている干潟。一見、何もないように見えますが、潮干狩りが楽しめる場です。
実は海の環境の中でも、干潟は最も多くの生きものが誕生し、育つ場となっているのだとか!
そんな干潟ですが埋め立てられやすいという悲しい問題も抱えています。東京湾の99%は埋め立てられてしまっているのだそうです。
干潟の大切さを学んだうえで、この問題について知ると、海にとって重大な問題を発見してしまったことに気が付きます。

海野さんは「海はひとつながりであるため、良いことも悪いことも長い時間をかけてつながっていく」と言っていました。
あまりにも広い海を目の前にすると、この当たり前を忘れてしまいそうになる私たちですが、「海はひとつであること」を忘れずに行動していきたいなと思います。
磯観察のポイント
海の環境のひとつに「潮間帯」があります。潮の満ち引きによって、陸になったり海中になったりと環境が変化する場所です。
潮間帯の上の方では、海面が行き来するため、海面にいる動物プランクトンを食べる生きものや、海藻を食べる生きものなどがいます。
自分が観察している場所が海面に対してどの位置なのかを知っていると、生きものが探しやすくなりますよね。

また、ウミケムシなどの、磯観察の際に注意すべき生きものについても学びました。
磯には人間を直接襲ってくるものはあまりいないけれど、人間が触ろうとすると自分の身を守るために毒を出したり、トゲを出したりするような生きものがいます。
生きものが集まる場所について、そして自分の身を守るための注意事項も学び、磯に出かける準備は万端です!
オンライン海中ツアー
プログラムの後半には、動画を通して、海の中の生きものの様子も観察できました!
冒頭では、ソラスズメダイの紹介をきっかけに、地球温暖化が海の生きものの生息地にも影響を与えていることを知りました。
ソラスズメダイは、もともと亜熱帯の魚ですが、温帯でも段々と増えてきています。この変化は、地球温暖化の影響が目に見えてわかる一つの例ですね。

動画の途中にはクイズが!
下の写真をご覧ください。真ん中にいる生きものは何かわかりますか?
ヒントは「目を見ればわかる」です…!

正解は、タコです!!見つけられましたか?
海の中の観察の次は、磯へ!
ゴロタ石をそっとひっくり返してみると…テッポウエビやイソナマコなどを発見しました!

また、カニのオスとメスの見分け方も学びました。
おなかの腹板が小さいものはオスで、卵を抱えているため腹板が広いものがメスなのだそうです。


他にもまだまだ紹介しきれないくらいたくさんの生きものを観察できて、終始ワクワクする時間でした!
子どもたちからの質問と感想
質問コーナーではたくさんの質問が上がりました。
「クジラやイルカはどのように進化していったの?」
「サメは危険生物を食べるの?」
「カニは何回脱皮して、大人になるの?」
「地球温暖化の影響で海が温かくなると、生きものにどのような影響があるの?」など…
子どもたちの「海ついてもっと知りたい!」という思いが画面越しからも伝わってきて嬉しくなりました!

講座を受けた感想では、
「海に行ったら今日の話を思い出したい。」
「生きものを絶滅から守りたい。」
「海の中は弱肉強食が広がっている!!」
といったメッセージをもらいました。
それぞれが一番印象に残っていることを大切にしながら、今回のプログラムをきっかけに、実際に海に行き、自然に触れる時間を作ってくれたら嬉しいです。
文責:内山 結希(CSOインターン生)