
杉並区立新泉和泉小学校の国際員会のみなさんとごみ問題をテーマに、バングラデシュとのオンライン交流授業を行いました。
指導案づくりから先生方と作り上げた授業についてご報告します。
授業づくりからスタート
まずは国際委員会担当の先生と「どのテーマを、どのように学んでいくか」について話し合いました。
開発途上国のことをテーマにすると、どうしても「かわいそう」という感想が出てきます。
しかし、今回の授業では「バングラデシュは大変だ、かわいそうだ」で終わらせてしまうのではなく、「お互いいいところがある。それを学び合える授業にしたい」という想いで方向性を一致させることができ、世界共通の課題である「ごみ」をテーマにすることにしました。
1回目授業:なぜバングラデシュはごみが溢れない?
1回目は、バングラデシュはどのような国なのかについて知ることからスタートしました。
クイズ形式で楽しく文化や歴史を知ってもらいます。

その後、今回のテーマである「ごみ」に入っていきますが、ちょっと変わった視点から導入しました。
“日本はゴミ収集・処理のシステムが整っているのに、埋め立て地が溢れそうになっている。
バングラデシュは日本より多い人口が、日本よりせまい国土に住んでいるが、
ごみ収集やごみ処理のシステムが整っていない。それなのに、国中がごみで溢れてしまわないのはなぜだろう?”

この疑問に対し、国際委員会の子どもたちにグループで意見を出し合い、KJ法を使ってグループ内の意見をまとめて発表していきます。
「再利用しているのじゃないか?」
「分別するなど心がけているのではないか?」
「そもそも出すごみの量が少ないのかも」
といったポジティブな意見だけでなく、
「海に流したり、他の国に輸出しているかもしれない」
という国際的な問題についての視点を出してくれる子もいました。
2回目授業:ごみを減らす工夫を学び合おう!
オンライン交流までに、JEEFスタッフがバングラデシュでも現地の子どもたちへごみ問題について授業を行い、お互い準備を重ねました。
そして、オンライン会議システムを使ってリアルタイムでバングラデシュの村の教室と日本の教室を繋ぎます。

日本語‐ベンガル語の通訳を挟みながら、以下のプログラムを実施しました。
- 双方の子どもたちが「日常生活で行っているごみを減らす工夫」を発表
- 質問タイム
- 文化紹介(お互いの国の歌を披露)
日本の子どもたちは海外の子どもたちに発表するので緊張ぎみでしたが、全員がしっかりと発表し、積極的に質問をしてくれました。
また、バングラデシュの村では外国人に出会う機会がほぼないため、現地の子どもたちは日本の学校の様子などキラキラした表情で熱心に聞いてくれました。

50分間という短い時間でしたが、お互いその国ならではのごみを減らす工夫があり、発見の多い時間になりました。
最後まで名残惜しそうにお互い手を振り合っていたのが印象的でした。
これからも海外事業グループでは、海外での経験と取り組みを生かした学びの時間を創り出していきたいと考えています。
関心のある方はぜひ海外事業グループまでご連絡ください。
(文責:海外事業グループ 大塚美香)