
7月19日(土)~20日(日)の1泊2日で「奥多摩の森で過ごす 〜親と子のわくわくキャンプ」を開催しました。
多忙な日々を送るひとり親家庭の親子が、奥多摩の水源林で、子どもと一緒に参加しながら、大人だけのゆっくりした時間も過ごせるキャンプとして実施し、今年で3年目になります。
野外調理や焚火、渓流遊び、森のぶらんこなど東京とは思えない豊かな自然を満喫する機会となりました。

当日は9組19名の親子が参加。奥多摩駅からバスで移動したのですが、その途中で2回も野生の猿と遭遇!しかも2匹目は赤ちゃんを連れていました。
「はじめて見た!」「赤ちゃん連れてたね!」直前まで緊張の面持ちでバスに乗っていたのが嘘のように、大興奮な参加者たちです。
バスから降りると、アースマンシップ・じゅんさんの案内でキャンプ場まで50分ほどかけてゆっくり林道を歩きます。山の神様のこと、地形のこと、ある場所を境に森の雰囲気がかわること。話を聞きながらあっというまにキャンプ地に到着しました。

当日は33℃の真夏日でしたが、水源林であるここは比較的涼しく、過ごしやすい気候でした。夕方でもないのに聞こえるヒグラシの声、豊かな水が流れる音、渓谷を抜ける涼しい風。それらがさらに涼しく感じさせます。



水源林ってどんなところ?
『水源林』とは、私たちが飲んでいるおうちの水道水のふるさとです。山に降った雨が森から湧き出して、やがて川になり、それがきれいな水道水として私たちに届くように、健康な森が育てられています。
森林には木材を生産するだけでなく、洪水や渇水をやわらげ土砂崩れを防ぐほか、安らぎの場を与えてくれるなど、私たちの生活を支える大切なはたらきがたくさんあります。
今回のキャンプで使わせて頂いたフィールドは、アースマンシップさんが特別に許可を得ている、東京都の取水口より上流にある場所です。川の水もそのまま飲めるくらい綺麗です。
この自然を守るため、自然に負荷を与えない “ロー・インパクト・キャンプ” を参加者の皆さんには体験していただきました。電気や水道といったインフラ整備はまったくなく、トイレはコンポストトイレを採用。食事の後は、米のとぎ汁で油汚れを分解して食器を洗い、歯磨き粉も使用禁止です。ちなみに、スマホの電波もほとんど通じません。
キャンプでは、食事の準備や、料理や飲み水のための水汲み、火おこしもみんなで行います。





大人も子どもも、癒される時間
このキャンプ一番のみどころは、やっぱり川遊び!水源林の上流にある川はとても澄んでいて、ヤマメなども棲んでいるそう。(キャンプ中には出会えませんでしたが)
大人も子どもも、水を掛け合ったり、プカプカ浮かんだり、高い岩の上から飛び込んだり、思う存分堪能しました。
川にはカニやカエルもいて、見つけたこどもたちは大喜び!広場でも虫捕り網を持って、チョウチョなどを追いかけていました。1日中走り回るその元気は、さすが子どもたちです。




川遊びに次いで人気なのが、焚き火です。夕方から寝る時間まで、朝ごはんから帰るまで、常に火がついていたので、川遊びで冷えた体をあたためたり、夜の光源になったり、朝ごはんのパンを焼いたりと大活躍。子どもたちはスギの葉を集めたり薪を足したり、マッチで火を付けたりと、今までにない経験を焚き火の周りでたくさんしていました。夜はマシュマロを焚き火で焼いて、大満足の様子でした。





参加者の声
(保護者)
- 親子で時間を気にせずゆっくりと、自然の音に耳を傾けながら過ごせた2日間は、本当に貴重な体験になりました。初めてのキャンプ体験を、経験豊富なスタッフの方と過ごすことができ、安心して、たくさんのことを学べました。(中略)ひとり親の方とたくさん情報交換もできました。また明日から頑張っていこうというパワーをもらいました!
- 娘とはじめてのテント泊!ということで、とても楽しみに(少し不安もありましたが…)していました。夜中に、真っ暗な中、こわくて手をつなぎながら、お手洗いに行ったことは、忘れられない思い出になりそうです。
- 子どもが岩から(川に)飛び込むのを見て、怖くてとべないと思っていたので、新たな一面が見られて嬉しかったです。
(子ども)
- 川遊びで冷たい水に入って遊んだことが印象に残っています。川の水で遊んだことがなかったけれど、海よりも冷たくておどろきました。
- 川にいくのがたのしかった。かにとかいろいろなせいぶつがみえて おもしろかった。空と木とじめんなどがきれいだった!
- ふだんやらないことをキャンプでできてよかったです。火を大きくする方法を知れて、自分で火を成長させられることができて、「たき火マスター」?になれたかな?と思いました。

2日間の時間を、過ごしたいように、それぞれ過ごしていました。
インフラや大掛かりな遊び道具はありませんが、代わりにダイナミックな自然がたくさんあります。子どもたち同士もすっかり仲良しで、あちこち走り回ったり、ブランコに乗ったり、川で水切りしたりと、元気いっぱいです。
大人も童心にかえったように遊んだり、ゆっくり焚き火や空を眺めたり、子どもと語らったり。親同士が語り合っている様子もよく見られました。

JEEFは、東京マラソン財団チャリティ RUN with HEARTの寄付先団体です。本事業は、寄付先事業として実施いたしました。JEEFでは「誰ひとり取り残さない環境教育・自然体験」を目指し、日常生活を営む上で困難や課題、心配を抱える子ども・大人に、自然体験や癒しの機会を提供しています。
東京マラソン財団チャリティ RUN with HEART公式ウェブサイト
忙しい毎日を送るひとり親家庭の親子が、これを機会に今後も自然の中で過ごす時間を取り入れてみていただけると嬉しいです。
文責:垂水 恵美子(総務部 会員・寄付担当)