非公開: 第22回日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)シンポジウム

TEEN22シンポジウム1部 学術報告・実践報告

学術報告

中国

テーマ  中国のカーボンピークとカーボンニュートラル化政策の概要と低炭素社会の実践
登壇者  LIN Fuさん(国家気候変動戦略研究・国際協力センター 研究助手)

生態環境省の国家気候変動戦略研究・国際協力センターの政策・規制部門のアシスタント・リサーチャー。2013年に同済大学を卒業し、工学修士号を取得した後、現在は清華大学で博士号取得を目指している。主な研究分野は、気候変動政策・制度、国家低炭素パイロット評価、政策評価など。低炭素社会の進展と評価に関する研究に従事し、Journal of Environmental Protection(中国語)に2本の学術論文を発表した。また、国家発展改革委員会、生態環境部に8つの政策提言を行っている。気候変動に関する第4次国家評価報告書の作成に参加し、IPCCの1.5℃特別報告書の政府レビューにも参加した。

韓国

テーマ  韓国の教育カリキュラムにおいて教科として環境を学ぶ重要性に関する研究
登壇者      SHIN Kyungjun  さん(Soongmoon中等学校 教員)

Shin氏は、ソウルのSoongmoon middle schoolで環境の科目の教師を務めながら、KETA(Korea Environment Teachers Association韓国環境教育学会)のスポークスマンとしても活動をしている。特に、再生可能エネルギーについて造詣が深い。2013年には、中学校の技術教科書に掲載されている原子力発電に関する誤った記述を修正するという成果を論文で得た。2015年には、韓国の国家カリキュラムにおける環境教育の削減に抵抗するためのソーシャルアクションの統制も行った。彼は環境教科書の著者であり、韓国のサイバー中学校(放送通信中学)やEBS(韓国教育放送)のチューターも務め、また、いくつかの本や論文も執筆している。

日本

テーマ  ESDの指導者を養成するESDティーチャープログラム
登壇者  中澤静男さん (奈良教育大学 次世代教員養成センター 准教授)

立命館大学文学部史学科、奈良教育大学大学院卒業(教育学修士)。23年間、小学校教員として勤務し、構成主義を援用した社会科教育の実践研究に取り組む。2007年3月、奈良市教育委員会指導主事の頃にESDと出会い、奈良教育大学に異動し、世界文化遺産や歴史文化遺産を通したESDの研究を行う。2015年日本/ユネスコパートナーシップ事業を受託し、ESDを指導する教員に必要な資質・能力を明らかにしたのち、ESDティーチャープログラムを構築する。現在、全国各地で現職教員を対象としたESDティーチャープログラムを実施し、ESDが適切に指導できる教員の育成につとめている。

実践報告

ユース世代が活動を発表します

中国

テーマ 将来の選択  コミュニティレベルでのカーボンニュートラルな教育と実践
登壇者 WANG Jiawei  さん (南京科学技術大学 化学工学研究所  2年生) 

内モンゴル自治区のオルドス出身。故郷での高校時代に川の保護と環境リサイクルのプロジェクトに参加し、非常にやりがいを感じ、南京科学技術大学では、1年生のときに同校の環境団体「Green Age Environmental Association」に参加。放課後に環境問題の講義を受け、調査・研究を通じて環境問題への理解を深めた後、同協会が行った月湖公園の樹木調査に参加し、その後、同協会の環境教育支部長に就任した。協会が「生態文明ボランティア講師団」を創設してからは、自身の経験や研究成果を講義の基礎とし、チームのメンバーを率いて、さまざまな地域での消費削減や地域の炭素吸収源に関する講義を行うとともに、関連する知識をWeiboで一般に広く普及している。

韓国

テーマ     エコロジカル・シティズンシップ教育による気候危機への対応
登壇者  PARK Hyunsung  さん  (仁川南高等学校 3年生)

現在、仁川南高等学校に在学する高校3年生 。同校の環境クラブを率いて、気候環境教育図書館サービス、学校周辺の環境清掃活動、環境菜食キャンペーンなどを行っている。
また、国立環境教育センターの第1・2青年運営委員会のメンバーとして、会議や環境教育フォーラムを通じて、学校環境教育の改善、生徒の環境意識の向上、カーボンニュートラルの実践に努めている。学校環境教育を充実させるためには、カリキュラムを変える必要があると考え、そこで、環境教育をカリキュラムの重要なテーマとして定着させようと活動を続けている。

日本

テーマ 千葉大学学生EMS委員会の活動について
登壇者 武村有紗さん(千葉大学3年生  環境ISO学生委員会  副委員長)
    早川咲紀さん(千葉大学3年生  環境ISO学生委員会  環境活動事業推進リーダ―)

千葉大学が環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格であるISO14001認証の取得を目指すにあたり、学生主体でシステムの構築と運用をすべく、2003年に40名の有志の学生によって「千葉大学環境ISO学生委員会」が発足。千葉大学は2005年1月に無事にISO14001を取得。学生委員会はEMS基礎研修の講師や内部監査の監査員、サステナビリティレポートの編集など、大学のEMS運用に必要な業務を担っているほか、省エネ・省資源の啓発活動や環境教育活動、緑化活動など、学内の環境負荷削減や環境意識啓発活動を行っている。2017年には株式会社京葉銀行と協同で「ecoプロジェクト」を発足し、地域社会に向けた環境およびSDGsの啓発活動にも力を入れている。学生委員会の活動は授業の単位となり、3年生になると学内資格を認定されるという制度があるのが特徴的で、毎年200名以上の学生が所属している。