KNCF環境リーダーシップ講座2022

講座内容 

講座内容

1回 日程:2023113日(金)16:0017:30】 

「生物多様性の保全に向けた世界の最新情報 今、何が起こっているのか-」
2022年は、生物多様性を考える上でとても重要な年になります。生物多様性条約第15回締約国会議にて、「ポスト2020生物多様性枠組」が採用される予定となっているからです。この講座では、世界の流れを知るために、最新のCOPの情報や生物多様性保全への取り組みについてお伝えします。

パート1:国連生物多様性条約(CBD)COPの最新情報

スピーカ―:道家哲平さん

千葉大学文学修士(哲学)修了。2004年より、事務局を務める日本自然保護協会の職員として、国際自然保護連合(IUCN)日本委員会の運営に従事。生物多様性条約COP9から、条約に関わり、以降、全COPに出席。生物多様性の世界目標に向けて、行政・企業・自治体・NGO・研究者をつなぐにじゅうまるプロジェクトを展開。世界動向の収集・分析と、分かりやすい発信に定評があり、国の各種委員会検討会の委員就任や、プレゼン・執筆も多数。

 
パート2:30 by 30とは生物多様性保全のために
  • 定義
  • 達成した場合、できなかった場合
  • 施策例
  • OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)
  • Nature based solution

スピーカ―:William Dunbarさん

コンサベーション・インターナショナル・ジャパン プロジェクト・マネージャー
生物多様性条約に関連する政策プロセス、特に「その他の効果的な地域ベースの保全手段」とその生産的ランドスケープとの関係という新たな問題に焦点を当てた活動を行っている。
コンサベーション・インターナショナル入社以前は、国連大学で数年間環境政策に携わり、生物多様性保全、生物文化多様性へのランドスケープ・アプローチなどに関する研究は、学術誌や一般向けの出版物で発表されている。コロラドカレッジで学士号、UCLAで修士号を取得。

モデレーター: 名取洋司さん

国際教養大学 国際教養学部 グローバルスタディズ課程 准教授
(一社)コンサベーション・インターナショナル・ジャパン顧問。大学より現在に至るまで、一貫して生物多様性に関わる研究・政策提言に携わる。(財)自然環境研究センター、(財)日本生態系協会にて、森林に関する国際議論の調査および国内の野生生物調査、自然環境保護管理計画、気候変動対策立案などに携わる。

2回 日程:2023125日(水)16:0017:30 

「世界各地における生物多様性保全のアプローチ~保全の現場を知る~」

 ひとえに生物多様性といっても、地域によって状況や問題また保全のアプローチは様々です。
この講義では、環境や生物多様性の保全活動を実施している世界各地の現場を取り上げ、現地の状況や活動をご紹介することで、生物多様性だけでなく、活動の多様性についてもお伝えします。


事例1: カンボジア  
テーマ:オオヅル保全のために私達がAnlung Pringでやってきたこと・やるべきこと

プレゼンター: Samphors Lyさん

カンボジアの王立プノンペン大学で一般生物学を専攻し、理学士号を取得。
在学中は、Cambodian Entomology Initiatives (CEI)でデータコレクターとしてボランティア活動を行い、カンボジアの昆虫のサンプルを収集して種の同定を行う。卒業後は、2016年末にバードライフ・インターナショナル・カンボジア・プログラムにプロジェクト・アシスタントとして参加し、保全活動家としてのキャリアを積むために、インターンシップとしてSATO YAMA UMIプロジェクトに携わる。

現在、ネイチャーライフ・カンボジア(旧バードライフ・インターナショナル・カンボジア・プログラム)の下部メコンデルタプロジェクトコーディネーターとして、2つの主要保護ランドスケープ(Beoung Prek LapovとAnlung Pring)の保全に携わっている。これらの業務では、法執行機関のパトロール、生物多様性のモニタリング、農業有害廃棄物管理、ツル米計画、侵入植物種の管理、啓発プログラムのアドバイスなどの調整を行ってる。

事例2: インドネシア    
テーマ:
海洋生物の管理と参加型管理に向けた取り組み~現場での実践から普及啓発まで

プレゼンター:Mohamad Iqbal Herwataさん

生物種の保存を専門としている。空間生態学、漁業、海洋巨大生物の保全の分野に関心あり。衛星タグデータやその他の出現データを用いた統計的モデリングと計算アプローチの組み合わせを活用し、生物分布や生息地の好み、移動パターン、生息地の利用、その他の生態学的観点について理解を深め、管理戦略や保全活動を改善することに関心を寄せている。

現在、コンサベーション・インドネシアのElasmobranch and Charismatic Species Programを担当し、インドネシアにおけるサメ・エイ類とその他の種の保全戦略の策定と実施において、インドネシア政府を支援している。

 
事例3: インドネシア 
テーマ:

Non Timber Forest Productsを通じた環境保全とソーシャルビジネス

プレゼンター: Maria Cristina Sanchez Guerrero さん

過去30年以上にわたり、コミュニティにおける林業と先住民族の問題に取り組む。コミュニティ・エンタープライズ開発、バリューチェーン分析、非木材林産物(NTFP)開発、NTFP政策提言、参加型保証システム(PGS)、伝統的生態系知識(TEK)、遺産工芸品、森林食品などをテーマにしている。特にフィリピンのパラワン島とインドネシアのボルネオ島で、在来種のミツバチから採れる森林蜂蜜、樹脂、ラタンなどの主要なNTFPに焦点を当てたフィールド経験があり。また、ASEANの社会的林業に関するワーキンググループを支援するなど、その経験はASEAN全域に及んでいる。ビジネスマネジメントと国際開発のトレーニングを受け、コミュニティ林業製品のマーケティングを支援する様々な中間支援組織の設立を支援している。

【第3回 日程:2023年2月3日(金)16:0017:30

「生物多様性保全活動の新たな視点を得る~保全活動と世界の動向について~」.

 第2回の発表者がパネリストとして参加し、世界の保全活動の動向と自身の活動とのつながりや事業の課題についてパネルディスカッションを行います。

パネリスト   :第2回のプレゼンター 
      Samphors Lyさん・Mohamad Iqbal Herwataさん
      Maria Cristina Sanchez Guerreroさん

モデレーター:名取 洋司さん

 

 情報提供:「経団連自然保護協議会の助成の考え方や公募の概要」

スピーカ―に経団連自然保護協議会の方をお招きし、基本的な助成の考え方、公募の概要についてお話していただきます。

スピーカ―:長谷川雅巳さん

経団連自然保護協議会事務局長。同協議会事務局長として、ポスト2020生物多様性枠組採択を見据えた経団連自然保護基金の助成方針検討に委託者として関与。1992年経団連事務局入局。対米欧経済関係、GATT(ガット)等多国間自由貿易の担当を経て、消費者契約法、議員立法による商正改正、独禁法等を担当。米国留学、内閣府独禁法基本問題検討室出向等を経て、2007年から2016年3月まで、気候変動、震災後のエネルギー問題、循環型社会形成等を担当。20年より現職。

 

【第4回 日程:2023年2月17日(金)16:0017:30

「プロジェクトを成功させるために -計画の作り方-」

パート1:「プロジェクトを成功させるために」 計画の作り方と成果の見せ方

長く国際環境協力事業に従事された方をお招きし、助成事業の採択に繋がる提案の仕方、プロジェクトの成功に必要な考え方についてお話していただきます。

スピーカ―:鈴木和信さん

日本大学 国際関係学部 教授
自然環境保全分野を中心とした国際環境協力に 26 年間従事。2022 年 4 月より現職。
持続可能な社会の構築や自然資源管理を通じた地域開発の研究と教育に取り組む。 日本環境教育学会会員。農学博士。技術士(環境部門)

 

パート2:「経団連自然保護協議会の審査方針について」

応募の際にどのようなことに気をつけたらよいのか、審査のポイントについてお話していただきます。

スピーカ―:古田尚也さん 

大正大学総合学修支援機構教授兼IUCN日本リエゾンオフィス・コーディネーター。三菱総合研究所在職中の200001年に、日本人で初めて国際自然保護連合(IUCNスイス本部職員となる。その後、東南アジア、南米などでのプロジェクトに従事。2009年にIUCN日本事務所が設立され、責任者として生物多様性に関する国内外の政策展開に携わる。2015年より現職。編・著書に『Asian Sacred Natural Sites』(Routledge, 2016年)、『実践!グリーンインフラ』(日経BP2019)など。東京大学農学生命科学研究科博士課程単位取得退学。

 

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