インドネシアにおける環境教育・環境保全活動

インドネシアにて20年以上にわたって環境活動を実施しています

近年大きな経済発展を遂げつつあるアジアの大国インドネシア。約200万㎢の国土に2.5億を超える人々が暮らす、日本ともとても繋がりの強い国です。赤道をまたいで1万5千もの島々により構成されるこの国の美しさは、赤道にかかるエメラルドの首飾りとも称されるほど。広大な海に囲まれ、世界第3位の面積を誇る熱帯雨林を育み、世界でも有数の生物多様性を有している自然豊かな美しい国です。
この豊かな自然環境を守り、次世代に残していくことは、インドネシア一国の課題であるばかりか、地球市民である我々ひとりひとりに課せられた大きなチャレンジと言えるでしょう。

JEEFでは2002年より西ジャワ州ボゴールに現地事務所を置き、現地駐在日本人スタッフを中心に20年以上にわたって環境教育・環境保全活動を続けています。

ブラジル、コンゴに次ぐ世界第3位の森林面積を持つ森林大国インドネシア。かつて国土をくまなく覆っていた熱帯雨林は、残念ながら国の経済発展と反比例するかのように年を追うごとに減少を続けています。
この豊かな生物多様性を有する熱帯雨林を守るべく、自然保護区を設置するなど政府は森林保全に取り組んでいます。政府の森林保全政策の中でも、近年、特に重要視されているのは住民参加-森林地域に暮らす人々と政府機関との協働による森の保全です。
森から人を排除するのではなく、森林資源を適切に利用し、地域の人たちの協力を得て健全な森を維持していく方法が模索されています。

JEEFはこの考え方に強く賛同し、国立公園などの自然保護区にて「人と自然の共生」に向けた取り組みを実施しています。

住民参加による森林保全と自然資源の持続的利用の促進

ジャワ島西部に位置するグヌン・ハリムン・サラック国立公園では、JEEFは政府からの依頼を受けて、森林のゾーニング策定作業に取り組みました。これは、人の手つかずの原生林と、人が手を加えることによって維持されている里山とをGPSを用いて実測し、全ての関係者の協働のもとに地図化していく活動です。これにより、重点的に保全するゾーンと、適切な管理のもとに自然資源を活用して良いゾーンの切り分けができるなど、住民参加による国立公園管理に向けた第一歩を踏み出すことができました。

ゾーニングの結果をもとに、里山の森林資源を持続可能な形で活用することを通じて、住民の収入源確保と森林保全との両立にも取り組んでいます。伝統的に作り続けられてきたヤシ砂糖や在来の果樹の栽培など林産物の加工販売を通じて、森を利用しながら保全する仕組みづくりに貢献しています。
また、そのような里山の暮らしや原生林の豊かな自然環境を舞台とした、地域住民によるエコツーリズム事業の実施も実現することとなりました。

 

ユネスコの世界自然遺産にも登録されているウジュン・クーロン国立公園においては、それまでに違法伐採で暮らしを成り立たせていた地域住民と協議し、代替えの収入源であるハチミツの採集と販売を通じて、森林の伐採停止と森林保全を実現させることができました。

この活動においても、林産物の持続可能な利用が大きな柱となりました。生活のために国立公園内の天然林を切り売りするしか収入源を見出せなかった地域住民は、野生ミツバチによるハチミツの採集と販売を通して暮らしを成り立たせられるようになり、違法な森林伐採を撲滅することができました。さらには新たな収入源となったハチミツ採集を持続的に続けられるよう、地域住民は森林パトロールや植林活動を通じて野生ミツバチが暮らせる森の保全に取り組むようになっています。

 

ジャカルタ湾岸マングローブ林再生活動

世界でも有数の島嶼国家であるインドネシア。1万3千を超える島々からなるこの国の海岸線は、かつては豊かなマングローブの森に覆われていました。しかし1970年代から始まるエビ養殖ブームの影響を受け、マングローブ林の多くが伐採されエビの養殖池に代わってしまいました。

時代の変化とともにエビ養殖の形も変化がみられ、現在では使われずに放棄されている養殖池も多く存在します。JEEFはこのような放棄された養殖池跡地を中心に、かつてみられたような豊かなマングローブ生態系への回復を目指して植林活動を実施しています。

主役となるのはかつてエビ養殖池で働いていた地域住民。マングローブ林が消失して以降、水質の劣化や生物相の減少、海岸浸食といった負のインパクトに気づいた地域住民が、かつての自然環境を回復させようと努力を続けています。
JEEFは地域住民の努力を後押しする形でマングローブ林再生の支援を実施しています。また、森林再生に関心のある日系企業と地域住民とのを橋渡しし、企業の環境活動の一環としてのマングローブ林再生活動をお手伝いさせていただいております

次世代を担う環境人材の育成

気候変動や生物多様性の減少など世界的な環境の悪化を目の当たりにし、インドネシアにおいても環境保全に関心を持つユース世代の活躍が望まれています。JEEFではユース世代に向けた環境教育を活動の重要な柱と位置づけ、日本・インドネシア両国のユース世代の環境意識啓発を促進、学習機会の提供を行っています。

SOMPO環境財団が主催する「NGO Learning Internship Program in Indonesia」。日本で20年以上にわたる実績を持つ「CSOラーニング制度」を、インドネシアでも実施しています。日イ国交樹立60周年記念にあたる2019年度にスタートした同事業において、JEEFはその立ち上げから関わらせていただき、プログラムの企画・運営を担当しています。

 

 


このような課題の解決を目指してます。

 

 

矢田 誠(やた まこと)

JEEFインドネシア事務所長。
学生時代に焼畑農耕民の暮らしに興味を持ち一路ボルネオへ。森に生きる人々の知恵に感銘を受けるも、時代の変化に飲まれて変貌していく村々への想い絶ち難く、再びインドネシアへ渡りました。
人々の生活権の保障と森林保全との両立を求めて奮闘の日々を送っています。